▼ スイート・ビター・キス
スイート・キス×琉夏
それはチョコよりも甘く、全てが蕩けるようなキスの味。
身体も心も、私の全てがルカちゃんに溶けていく。
「美奈子、チョコちょーだい?」
いつものように、ルカちゃんと過ごすお昼時間。
ただいつもと違うのは、今日が2月14日ってこと。
ルカちゃんは、両手の平を重ね合わせ、ストレートに私にチョコを求めてきた。
目をキラキラ輝かせて、顔を綻ばせながらおねだりするルカちゃんが可愛くて、私もつられて笑顔になる。
「はい、ルカちゃん。チョコレート受け取ってください」
私が差し出すや否や、ラッピングが施されたチョコを引ったくるように奪いとる。
「ねね、美奈子!開けていい?」
「どうぞどうぞ。ルカちゃんのお口に合うといいんだけど……」
ルカちゃんは、リボンをゆっくりほどき、包装紙をピリッと破ってピンク色の箱を取り出し開けた途端、すっくと立ち上がりぴょんぴょん跳ね出した。
しかも雄叫びつきで。
「ル、ルカちゃん、どうしたの?」
「だってだって!『ルカちゃん大好き』って書いてあるんだもん。美奈子、俺も大好きだよ!」
えっ……ウソ。
なんでそっちの方のチョコ持って来ちゃったの…!?