「はぁ…ふぅ…はぁ…」
コウくんにもたれかかったままの状態で、ようやく離された私のくちびるは酸素を取り込もうと必死に息をする。
コウくんは優しく私の背中をさすってくれている。
抱きしめられているという感覚が身体全体に伝わって、さらにドキドキが増す。
「あのよ、美奈子。」
や、やめて、耳元で囁かないで。
これ以上ドキドキしちゃったら、私…どうにかなっちゃうと思う。
「一回しか言わねぇからちゃんと聞いとけよ。俺はな、好きな女にしかこういうことはしねぇ…意味分かんだろ?」
へっ…こういうことはしない…好きな女にしか…?
「コ、コウくん!」
慌てて身体を離し、コウくんの顔を見るとさっきまでの余裕はどこへ行ったのってくらい顔を真っ赤にしている。
照れ屋でこういうシチュエーションは死ぬほど苦手なはずなのに、ちゃんと言ってくれたコウくんの気持ちが嬉しい。
「私もだよ?ねえ、意味分かるでしょ?」
コウくんの返事を待たずに今度は私からキス。
このキスに私の気持ちが全部乗ってコウくんに届けばいいのに。そうしたら、言葉だけじゃ伝えられない気持ちも全部届くでしょ?
最高に幸せな今を感じて。
コウくん、大好きだよ。