美奈子の顔から無理矢理手を引き剥がすと、美奈子の目からは大粒の涙がこぼれていた。
「泣くほど悔しかったんか。ほら泣くなって。」
そう言ってぺろりと美奈子の涙を舌で舐め取って抱きしめる。
涙も汗も熱さも、美奈子が放つものは何でも甘い。
「ひゃっ!嵐くん?!」
美奈子の鼓動か俺の鼓動か分かんねーほど、自然にぴったりひっついていた。
「美奈子にちゃんと言えって言っといて、俺は何も伝えてなかったな。ごめん。美奈子がマネージャーになってくれたおかげで俺は今ここで柔道出来てんだ。すげー感謝してる。ありがとな。」
きつく抱き締めてるせいか、声が出せない美奈子が俺の胸元で必死にうなずく。
苦しそうにしてても今はまだ離してやんねー。っていうか離せねー。
まだまだ美奈子が足りねーんだ。
熱を帯びた美奈子の吐息が俺の胸元に直にかかる。
そうそう、その少し緩んだ口元が好きなんだよ、俺は。
美奈子の唇が俺の胸に当たるように、また少し力を強めた。
やっぱやわらけー。