「だって、嵐くん…練習のし過ぎで体調崩しちゃったんだよね?はぁ…私、マネージャーなのに全然嵐くんの力になれてないと思って……嵐くん、ごめんなさい。」
「なんだ、そんなことか。美奈子が悪いわけねーだろ。ちゃんと体調管理出来てなかった俺が悪いに決まってんだろ。」
「そ、そんなことかって!だって私、マネージャーなんだよ?少しでも嵐くんの力になりたいのに…悔しいよ。」
緩めた唇をまたきつく結び直し、美奈子は顔を覆って俯いてしまった。
「ほら、顔上げろ。お前は何も悪くねー。本人が言ってんだから間違いねーだろ?」
そう言って、顔を覆っていた美奈子の腕に俺の手を伸ばした。
美奈子に触れた瞬間、どろっとした甘い感情が俺の胸の中に広がった。
なんだコレ、やわらけー。
掴んだ腕が俺のそれとは全然違ってて。
―逃がしたくない―
思わず力を強めて触れた素肌から熱が伝わる。
俺の熱?それともお前の熱?
俺たち二人の熱だといい。