short stories | ナノ




そう、なにより好きなのは、美奈子に触れること。
肩まで伸びたさらさらな髪、柔らかなほっぺた、桜色したプルプルの唇、すべすべした肌、きゅっと引きしまった足首、艶やかに動く白い指、俺の片手ですっぽり隠れてしまうような可愛い小さな胸、小さくくぼんだおへそ…
全部を見ても触っても感じても、まだまだ足りない。

ずっとずっとくっついて、一つになってたいんだ。いつでももっと美奈子が欲しい。

だから、早く戻っておいで。
俺が最高に美味しく美奈子を食べてあげるからさ。

そうやってほほ笑んで美奈子を待つ俺は、天使なんだろう?悪魔なんだろう?

ただ分かっているのは、美奈子のことを好きすぎてたまらないっていうこの気持ちだけ。


「琉夏くん、消毒終わったからさっさと料理作っちゃうねーもう少し待ってて。」

「美奈子、今ので5分ロスしてるよ?頑張って。」

「ええー今のもカウントしてるの?琉夏くんのいじわる!」

あと5分後に起きることを想像して笑みを浮かべていた俺の顔は、相当いじわるだったに違いない。

「ほら早く!そうじゃないと美奈子を食べちゃうよ?」

永遠なんて信じちゃいないけど、こんな幸せな時間が続くなら美奈子と一緒なら信じてもいいかなって気になるから不思議だ。
そう思える俺は、今とても幸せだ。
   



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テーマ「人外ファンタジー」
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