消え入りそうな声で、答えてくれた美奈子ちゃん。
イヤだって思う理由に気づいてるのか、気づいてないのか。
しゅーっと湯気を出して蒸発してしまいそうなくらい赤くなってる美奈子ちゃんに、これからトドメの一撃をくらわすね。
ごめんね?
俺、美奈子ちゃんを弄るの大好きなんだ。
とことん弄り倒したくなっちゃう。
そこら辺、コウに抱く思いとおんなじだ。
「ねぇ、なんで美奈子ちゃんはイヤだって思うの?」
どうにかして話を逸らそうとしている様子の美奈子ちゃんを、にっこりと笑いながら俺の方へと向かせる。
「なんで、って……」
「なぁ、ホントは理由分かってんだろ?ちゃんと言わないと、ホントに売っちゃうよ。それとも俺が信用できない?」
「そう言うワケじゃないけど……あのー、あのですね、えっと、えっとね」
「あのとえっとはもう聞きあきた。早く言って」
「うう……コウくんのことが、す、好きだから、他の女の子がこういうプライベートな写真を持つのがイヤなのです……」
ああもう、恥ずかしい!と叫んだ美奈子ちゃんは俺の手を振り払って、顔を覆った。
「やっと言えたね。んもーどんだけ焦らす気なの?」
「ルカくん、知って…?」
「当たり前じゃん。美奈子ちゃん分かりやすいんだもん。コウを見つけたら、嬉しそうにしっぽ振って近づいてくし、俺と三人でいる時も、無意識なのかコウの方に寄ってってコウばっか見てるし?これで分かんない方がどうかしてる」
「マジですか…って、知ってたならなんで言わせたのよ!」
「なんで、って。美奈子ちゃんを弄るのが俺の趣味だからね。慌てて顔真っ赤にした美奈子ちゃん、超カワイかったよ?」
「ひ、ひど…」
「酷くなんかない。これが俺の正義だ!って、まあ冗談はそこまでにして。ホントのこと言うとね、美奈子ちゃんとコウはお似合いだって思ってるから、くっついてくれたら嬉しいし。ゆくゆくは将来のお義姉ちゃんになって欲しいから、美奈子ちゃんを応援しようって思ったんだよ。だけど、なかなか本音聞かせてくれないし?なら、強硬手段に出てみようかなって」
「将来のお義姉ちゃんって、ルカくん大袈裟だよ!」
とか何とか言いながら、満更でもなさそうな美奈子ちゃんは手で顔を挟んで身体を横に揺らしだした。
こういう素直なところが美奈子ちゃんの一番の魅力なんだよ。