昨日、カレンとみよがチョコ作りを手伝ってくれた。
でも、二人がいるときには、どうデコレーションしたらいいのか決められなくて、結局完成品を見せられないまま、二人は帰っていった。
その後、考えに考え抜いて、やっと浮かんだデコレーション……というか、メッセージ。
デコレーションを失敗した時の保険として、何個か作ったうちの一つにそのメッセージをいちごのチョコペンで書く。
「うーん、さすがにこれはストレート過ぎるよね……」
「いいんじゃない?これぞ青春!って感じで」
「おおおおお母さん!?」
突然後ろから聞こえた声に、動揺してしまって身体がのけ反ってしまう。
「ふーん、あの奥手な美奈子がねぇ…」
お母さんは感慨深げにうんうん頷いている。
なんか凄く恥ずかしいんですけど。
「ち、違う。これは……そう練習したもので渡すものじゃないもん」
「ふーん、そうなの?このチョコは練習ねぇ……」
「そうなの。練習!こ、こっちが渡すもの」
そうやって、並べて隣に置いてあったホイップクリームやカラースプレーで無難に纏めたチョコを箱に詰めた。