short stories | ナノ





うっ、宿題を出されてしまった。

うーん、なんでだろう?なんでこんなに一生懸命なんだろう。

私はただ琉夏くんの笑顔がみたいだけ。それだけなんだけど…それだけだと思ってたけど…でも本当にそれだけ?

ベッドの上でゴロゴロしながら琉夏くんのことを考えてみる。
心臓がドクンと跳ね上がると同時に、携帯の着信音が鳴った。

「び、びっくりしたー。あ、琉夏くんだ。えーと、なになに。」

『美奈子、こんばんは。今日の写真も綺麗に撮れてたね。まるでオレもそこにいるみたいな感覚になったよ。超サイコー。今度一緒にそこに行こう。また写真も送って。楽しみにしてるから。
あ、そだ。コウがさ、今度は肉の写真を送れって言ってた。給料日前も伝えとけ、だって。超シュールだよね。』

ホントにシュールだ…琥一くん、携帯の画面見ながらご飯食べる気なのかなーなんて。
返信だけでも嬉しいのに、思いもかけずデートのお誘いとシュールな琥一くんの様子が一緒になって返ってきた。

やっぱり、琉夏くんと話してると楽しい。そしてメールだけだと物足りなくなってすぐにでも会いたくなる。
気がつくといつもそうやって琉夏くんのことばかり考えてる。ん…いつも考えて…る?

ええっと…こ、これって…もしかして…もしかしなくても、恋ってやつじゃないですか?

『恋』という文字が思い浮かんで自覚した途端、おさまっていた鼓動が耳にうるさいほど鳴り始めた。

「そっか、私琉夏くんのこと好きだったんだ…。そうだったんだ…。」

やっと、さっきのカレンとミヨの言動に納得がいった。

「な、なんで二人は分かってたんだろう…私、そんなに分かりやすかったのかな?恥ずかしすぎる…。」


琉夏くんに返信した後、恥ずかしさのあまり眠れなくてその日の夜を過ごした。

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