「分かった。じゃあ、さっきの質問に答えて。そしたら起きてご飯食べる。だから答えて?俺のことどうしてくれんの?」
美奈子はぐっと喉を詰まらせる。
特に何も考えてなかったんだろう。
だからさ、俺にそんなこと言っちゃダメだって。
今まで、何度も同じようなシチュエーション繰り返してるのに。
まだ俺のこと分かってないね。
いつものように、とことん美奈子のこと追いつめて、慌てふためかせて、そして俺が気の済むまで可愛がるんだよ?
「……答えらんなかったらどうなるか、分かってるよね?」
今までのことが頭の中を駆け巡ったのだろう。
泡を食ったような顔して、どうにかこの場をやり過ごそうと美奈子は俺の腕の中で必死にもがく。
やっぱ分かってないね。
もがけばもがくほど腕の力は強まっていくだけなのに。
「はい、時間切れー!じゃ、美奈子のくちびる、もらうね」
それを合図に、抗議の声を漏らそうとするくちびるに覆いかぶさる。
くちびるを食むように味わっていくと、二人の口内の温度はどんどん上がっていく。
美奈子の脚に俺の脚を巻きつけて、腰を揺らし熱を帯びていくモノをこすりつける。
「なあ、美奈子。キスだけじゃ止まんない。しよ…?」
「もう……ルカちゃんはいつもそうやって……私が断れないの分かってるくせに」
くちびるを尖らせて、俺の胸に顔を埋めたらそれが始まりの合図。
ギュッと強く抱きしめて、背中に回した手を服の中に滑らせていく。
指先を滑らかな背中に這わすと美奈子の身体はぶるっと震えた。
「美奈子、ここ触られるの好きだもんね。……もっと気持ち良くなりたい?」
こくんと胸の中で頷く美奈子に愛おしさがますますこみ上がる。
「じゃあ、俺のことももっと気持ち良くして?俺の名前呼んで、オマエからキスして」
少しだけ緩めた腕の中で顔を上げた美奈子がはにかみながら言う。
「ルカちゃん……ルカちゃん、大好き」
その柔らかなくちびるが紡ぐ俺の名前。
それを聞くたびに、生きてるっていう感覚が俺の中に広がっていく。
オマエのことが好き。
それが俺がこの世で生きる意味なんだ。
「俺も美奈子のことが大好き。だからさ、今日はご飯食べなくてもいい。お腹空いたら美奈子は俺を食べて?俺は美奈子を食べるから」
再び美奈子が抗議の言葉を漏らす前に、美奈子を味わいつくすように食んでいった。