long story-trip- | ナノ




「ねえ、琉夏くん。私の話、聞いてくれる?」

私は、琉夏くんの返事を待たずに話し始めた。


―それじゃまた明日。

で別れたって、次の日にその人は私の前からいなくなっちゃうかもしれない。

そんな事があっても不思議じゃないでしょ?

どうせ明日もまたいつもと同じように会えるから、今日も明日もいつでも同じ。
なんて思わないように、最後には笑って別れよう?

最後に笑顔で別れたら、いつまでも悲しい顔なんて思い出さずに、きっとその笑顔を胸に生きていける。

だから、そうやって別れよう。

悲しくない、悲しくなんかない。

だって、瞼を閉じればいつでもそこには琉夏くんがいるんだから。
それに私と一緒に作ってくれたたくさんの思い出があるから。

もう私は大丈夫。
だから、最後は笑って過ごそう。

それが、私たちらしい別れ方じゃない?―



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