long story-trip- | ナノ





会社に着いて、まずは昨日の失敗を係長に謝る。

「係長、おはようございます。昨日はミスばかり重ねてしまい、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんでした。以後、こういうことがないように気をつけます。」

「ああ、奏さんおはよう。そう…もう大丈夫そうね。分かったわ。ただ、気負い過ぎてしまわないように気をつけるのよ。あなたには期待してるんだから。」

「ありがとうございます。」

席に着くと、今の係長の言葉を思い出す。
期待してる、か。
今までの頑張りを認められていたような気がして、本当に嬉しかった。
その期待に、信頼に応えられるように頑張ろう。


気持ちの整理がつくと、現金かな、仕事も上手くいくようで。
今日はミス一つせず、快調に仕事が進んだ。

お昼時間には琉夏くんお手製のおにぎりを食べた。
最近、炭水化物ばっか食べてる気がするけど、琉夏くんが作ってくれたものなら気にならない。
形を三角にしようと思って握り続けてたら、形成するたびにどんどん大きくなっちゃったおにぎり。
結果的には、三角に出来なくて丸くしたみたい。
優花ちゃんには、奏ってそんなに不器用だったっけ?って驚かれたりもしたけど。
おにぎり相手に奮闘する琉夏くんの姿を想像するとかわいくてたまらない。

あ、そっか。琉夏くんってタラコのおにぎり好きだったよね。
確か前に買ったあったタラコがあったはずだから、今日はそれを具におにぎり作ろう。
琉夏くんの喜ぶ顔が見たい。

自分以外の誰かを思うエネルギーも私の原動力となって、午後も仕事は快調に進んだ。



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