真也【高校2年生】

ちょうど今日は前通ってた学校の卒業式だったみたいだ。俺も今日で先輩の家を出る。ただ、まだ学生で未成年なので店長が知り合いから紹介してもらった物件で、保証人にもなってくれた。先輩の部屋から自分の荷物をまとめてると頭の上から袋が降ってきた。

「ちょっと先輩!!痛いっすよ〜」
「俺からの餞別だ。距離もそんな遠くないけど、よかったら使えよ」

そう言って頭をなでた。もうこれも最後なんだな。今までの思い出が蘇って涙が出てきた。俺は涙をこらえながら先輩に頭を下げた。

「今まで……本当に、本当に!!!お世話になりました!!!!」
「またなんかあったら俺んち来いよ、みんな喜ぶからさ」

そんな先輩の声も震えていた。そして頭をゆっくり上げて、玄関をあとにした。

俺はしばらくはまだあのドラックストアで働くつもりだ。そして正社員になりたい。その傍ら、高校を卒業したいから通信制の高校へ通って卒業認定試験を受ける。まずはここの課題をクリアしてから。待ってろよ、俺も樹たちみたいにやりたいこと見つけてやるからな!!!

真也3 | ナノ
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