「茉由!!お前大変なことになってるぞ!!!」
それでも唯一声をかけてくれる隣の席の男子が私にスマホの画面を見せてくれた。そこには衝撃な内容が書いてあった。
あることないこと嘘を書き込まれたSNS。そして合成であろう写真に汚い言葉を載せてくクラスメイトたちのアカウント。
【あいつ男に媚びないと死ぬ病気笑】
【誰でも友達アピールマジでうざいんだけどww私あんたと友達になった覚えないww】
【あいついるだけでクラスうるさいの何なの?超目障りだからww】
他にもたくさんの書き込みがあった。私はうまく息ができなくなっていた。私、なんでここにいる…?
「お前、顔色悪いぞ。とにかくしばらくは保健室登校するとか何か対策取らないと。俺から翼に伝えるように言っとくから」
その男子の好意に甘えて私は保健室に行った。本当はサバサバした性格の女の保健室の先生が苦手で、しかもヤバい先輩たちが
たむろしてるイメージしかないのだ。私はおそるおそるノックすると、奥から返事が聞こえたので保健室に入る
「え〜珍しい。1年生じゃん」
サボりにきていたであろう先輩たちが私を体の隅々まで見てどうぞどうぞ!!と先生の前の椅子に座らせた。
「で、1年がサボりに来るには早いと思うが…どうした?」
私はその先生の一言で我慢してたものがあふれ出して涙が止まらなくなっていた。
「た、助けてください…!!私、教室でいじめられてて…」
私のその様子に他の先輩たちも様子を察して近くへ来てくれた。そして私は泣きじゃくりながら今までされた仕打ちを打ち明けた。
体育で転ばされたこと、上履きの落書き、SNSの書き込み。その話を聞いて先生は1枚の写真を取り出した。よく見れば
入学式の時に撮ったクラスの写真だった。
「それやってるの誰?指さしてごらん」
「待って待って私も気になる」
私は言われるままに結衣やその結衣の友達数人に指をさした。それを見たら先輩たちが大爆笑していた。
「コイツ、自分可愛くて仕方ないやつでしょ?読モやってるのめっちゃ自慢してる」
「あぁ〜性格ブス読モか!!超有名人じゃん。2,3年生にはもっぱら嫌われてるの!!本当に性格ブスじゃんね!!」
「取り巻きも自分可愛い〜って顔してんじゃん。もう笑わせないでよ!!」
私は笑ってる先輩に唖然としていた。そうか、先輩たちには結衣嫌われてるんだ…
そして先輩たちはスマホを取り出して、私に差し出してきた。
「大丈夫、私たちはアンタの味方だよ。何かあったら連絡ちょうだいよ」
「そうそう、助けてあげっから!!」
「ああいうのは痛い目見ないとわかんないから」
その言葉に涙を流して私は先輩に頭を何回も下げた。先生も落ち着くようにと私にココアを淹れてくれた。
しばらくは保健室で勉強してもいいと言われたので私は教室には行かずに、保健室で過ごした。
その間は先輩たちが情報を集めてくれたり、他のクラスでもなじめずに保健室へ来ていた子と仲良くなったりした。
ここにいる時間はとても有意義な時間だった。