学校生活にも慣れてきて、友達も増えた。部活も充実してるし他のクラスにもたくさん友達ができた。
正直、このときは小学校の時に仲がよかった友達のことなんて忘れていた。化粧を勉強するために色んな雑誌買ったり、
流行りは押さえたいから色んな曲聞いたり動画配信サイト見たり、テレビ見たり。とにかくそんな日常が好きだった。
「そういや昨日のゲーム配信みたか?」
「見た見た。さっそくやりたいからみんなでやろう」
そう言って机をくっつけて男子数人と私と翼で集まって今流行りのゲームをやった。そのゲームは数人でパ−ティーを組んで
鬼から逃げるというゲームだ。キャラクターデザインもいわゆるオタクにも人気があるようで、アニメが好きな人たちとも
このゲームを通して仲良くなった。それを遠くで見ていた視線に私は気がつかなかった。
次の日、私はいつものように登校すると私の上履きが落書きされていた。なくなるよりはマシかと思って私はその落書きだらけの
上履きを履いて教室へ向かった。おはよー、と席につくとみんな何も知らないんだろう、びっくりして何があったか聞いてきたが
私にも心当たりが全くないのだ。朝から体育の授業だったので体育着が入った袋をもって廊下へ出たら結衣がものすごい形相で
私を睨み、結衣と仲がいい子たちは私を見てクスクス笑っていた。私は嫌な予感がして袋を握りしめた。
体育はバスケで3つの班に分かれてトーナメント戦になった。運動は得意な方の私は張り切っていた。残念なことに翼とチームが
分かれてしまい、チームのみんなでがんばろうと話した。
「ヘイ、パス!!!」
「……」
私と反対の人がたくさんいるところにパスを出す。アレは結衣の仲間か。バスケ部だし、まぁ司令塔になるのは納得だけど。
私はひたすら走ってボールを追いかけてみたけど誰もパスを出さない。ボールに食らいついていこうとしたとき、
誰かが足を引っかけてきた。私はそれに引っかかって転んでしまった。それを見てた翼が私に寄っていこうとしたら
「翼、今は別チームだよ」
結衣が冷たく言い放った。その目は笑ってなんかいなかった。標的を見つけた獣のような目だった。私、結衣に何かした?
まずそんなに接点ないのに。どうして。私は誰も助けてもらえずに自分で立ち上がるが、みんな私を見て笑っていた。
ここで私はやっと自覚した。
私、クラスでいじめられてるんだ。
今更迷惑をかけたくなくて、それ以来ゲームの話とかも男子と話すのをやめた。