Eat me!
俺には誰にも言いたくない秘密がある。それはフォークだってこと。この世には一般の他にケーキとフォークという種が存在していて、フォークはケーキに出会うと初めから欠落していた味覚をケーキにのみ感じる事が出来る。食欲が暴走して補食衝動を抑えられないらしい。人肉を食す犯罪者予備軍みたいに見られて、普通は避けられる存在だ。ケーキと出会わなければ普通の人間でいられるんだから、黙っていてもいいと思う。味のしないご飯を食べながら美味しいって言い続けるのは結構きついけど今まで誰にもバレなかったんだ。だからこれからもそうだって決めつけてたのに。

俺は今ユンギヒョンの指を夢中になって舐めている。絆創膏がないって言うからちょっと血を吸ってあげただけなのに、舌で感じる甘さは今まで感じた事もない味覚というものだったから。だってこんなにも美味しいのにやめられるわけがない。

「グガ、お前おかしい……離せよ」

「やだ」

傷口だけじゃなくて指をしっかり口に含んでちゅうちゅうと吸い付く。頭ではやめなきゃって思うのに身体が追い付かない。ユンギヒョンの肌は砂糖みたいに甘かった。じきに血も止まってしまったので今度は口の中を蹂躙しよう。覆い被さって口づけると何かを言っていたその口は黙りこんだ。じゅる、と唾液を飲んで舌を吸ってを繰り返す。

「はあっ……グガ……んあっ……ちゅっ……ちゅ……はっ……はあっ……んんっ……ん」

ケーキもフォークも補食中は男女関係なくお互いに欲情してしまうから本能的に強く拒否出来ないのが厄介だ。二人ともその異常な行為を受け入れてしまう。別に恋人でもなんでもなかったのにユンギヒョンは情熱的に俺と口づけを交わしていた。全身の感覚がおかしくなって敏感になるらしいからヒョンも凄く気持ち良さそう。表情はとろとろになってるし、興奮状態だからズボンも持ち上がってる。それは俺も同じだから我慢できなくなってユンギヒョンのを脱がせていった。

「ね、これ処理しとかないとキツいですよねヒョン?」

「はあっ……んっ……も、いいからっ……早く………はあっ……っ……俺も、グガとしたいから……っ……」

下半身だけ脱いだ姿で自ら両足を持ち上げてねだってくる。秘部がヒクヒクしてるのがよく見えるし、ユンギヒョン自身が出した液体が流れてきたもので濡れている。本当はすぐにでも突っ込んでめちゃくちゃにしたいけど、こんなヒョンはなかなか見れない。

「慣らさないと入らないですよね、一人でして見せてください」

「へ?……自分で?……はあっ……っ……わかった……」

大人しく頷くと、自身から液を掬い取って指にまとわりつかせて後ろ側へ飲み込ませる。言うことをすんなり聞いてくれると思わなかった。弄りながら同時に擦ってもくれてとんでもなくレアな光景すぎる。

「そんなに僕としたいんですか?」

「……ジョングガっ……んっ……っ……俺としたくねぇの?……はぁっ……」

一度手を止めて目の前で見てる俺のところまで近寄ってきてジッパーを下げられる。あらわになったそれを口に入れて包んだ。口で吸い込みながら右手は後ろに伸ばされているのが見える。

「んっ……はっ……んくっ……はぁっ、おっき……これっ……入んのかよ……っ……んっ…」

指でその大きさに押し広げようとしているのか指を更に増やすと、口に含んでいたのを浅くして先端ばかりを執拗に攻めてきた。ぢゅる、とわざと音を立てて吸って煽ってくるのでもう堪らない。慌てて口の中に吐き出したい欲を抑えて、ユンギヒョンの口元から離れさせる。

「これどこに欲しいですか?ヒョン、やり方教えてください」

そういうと押し倒されて馬乗りの状態で見下ろされる体勢になった。

「これ、ここに」

「何を?どこにですか?」

わざと聞いているのが丸わかりだろう、口を尖らせて拗ねたような表情をされた。指で大きく広げて見せつけながら続けられる。

「だからっ……ジョングガの、ほら……んっ……ここにいれるから、な?」

ずぶり。屹立がユンギヒョンの内側にくわえこめられていった。

「ああああぁっ……おっきすぎ……きつ……っ……んっ……はあっ……」

まだ全部は入っていない。ずりずりと擦りつけながら奥へ誘い込まれる。まどろっこしくなって腰を掴もうとすると、触れた事に驚いたのか一気に腰が落とされて、ばちゅんっと音が響く

「あっ……っ……ひあああああああああっ!?……はっ……ん……はいった?全部……」

「はい。自分で動いてみてください」

コクコク頷かれて、また上に身体を持ち上げさせる。垂れ流されている液体がユンギヒョンと俺の身体とを糸で繋げていて、またゆっくり腰を落とすと今度はぱちゅっと優しく音がした。

「はっ……はあっ……あっ……きもち……いっ……これ、好きっ……ふっ……っ……はあっ……んぁ……」

腰をくねらせるように上下するのを見上げる。絞りとるように急速に締め付けられて飛びそうになった。動いて自分の気持ち良い場所に擦り付けようと夢中なようだ。先に出ていた液体が肌をぶつける度に辺りに飛び散っていく。抜かないままで、上がる時はゆっくりと、落ちる時は急速に呑み込まれていった。

「んぁっ、はぁっ……はっ……んっ……んっ……あっ……あっ……ひぁっ……ん……」

ひっきりなしに上がる嬌声と上気した白い肌にあてられて自分でも動きたくなってきた。これはこれでいい眺めだけど。動こうとするのを腰を掴んで止めると、とろけきった顔で首を傾げられた。上下運動はそれで止められたけど横に小さく揺れて内側を擦ろうとするので、首を振ってやめるように指示するとようやく止まった。

「……なんで?俺、気持ちよくなれるように、頑張ってんのに」

「一旦抜きましょう」

「いやだ……やっ……」

きゅうっと内側で締め付けられて離れたくないとばかりに吸い付いてこようとする。それだけでも快感が来てこのままでも良いような気持ちにされたけど、やっぱり自分でも動きたいから強制的に抜いてしまった。

「ひっ……んぁっ……はっ……ああああぁっ」

抜けていく快感に震えながら小さく達してしまったらしい。ぴゅっぴゅっと白濁した液体が飛んできて俺の胸元の辺りを汚した。はくはくと口を開けたり閉じたりして呼吸を整えているヒョンをそのまま後ろ向きにさせると合図もせずに性急に貫いてしまう。

「あああああぁぁぁっ!?……イッたばっかでっ……待てって……んぅ……ひっ……あっ……きつ、い……はっ……はっ……ひぁっ……はぁ……あぁっ…んっ……」

逃げようとしてヒョンが立ち上がってしまったので繋がったままで壁側に追い込む。壁に手をつかせて後ろから激しく攻めたてると、ぱちゅっ……ぱんっ、ぱんっ、ずちゅっ……と響くのが更に興奮を煽った。衝動が抑えきれなくてユンギヒョンの白い肩肌に歯を食い込ませる。カプリとかじりつくと舌に甘い味が広がった。本当に食べてしまったら食いつくすまで止められないと聞いたことがあるからほんの少しだけ血を舐めとる。ケーキはフォークから与えられる痛覚は快感に変換されて絶頂に近くなるからまた達してしまったみたいで壁に液が垂れていた。気持ち良さに耐えられないのか壁をガリガリと引っ掻いて震えているのが可愛くて余計に腰を激しく打ち付ける。

「これっ……おかしく、なるっ……ひっ……あっ……あっ……んあぁっ……グガァ……ひぁっ……気持ち良すぎてっ……あっ……気持ちっ……んあああぁっ……ひっ……はぁっ、ジョングガっ……やぁっ……やらぁっ……激しっ」

ばちゅんばちゅんとぶつける度に白い肌が赤く染まっていく。腰を上げたまま地面にへたり込みそうになるユンギヒョンを支えて螺旋状にかきまわすようにねじ込んだ。内側は形を記憶してぴったりと張り付くように締め付けてくるので、我慢できずにそのまま欲をぶちまける事になった。中に収まりきらなかった白が床に落ちていく。

「ふっ、なかっ……なかに出て……ひっ……はあっ」

ずるりと全てが抜けると同時にぽたたっと内側に入ったままだった液体が垂れていった。ユンギヒョンは今度こそ床にへたり込んでいる。

「ほんと……はぁっ、乱暴すぎだろ……はぁっ」

「それは、まぁ。余裕がなかったので……」

お互いに肩で息をしながら言葉を交わす。

「ヒョンはケーキだったんですね」

「お前こそ……肩」

「ごめんなさい……」

さっきまで俺の下で鳴いてた猫は何処に行ってしまったのか。落ち着いたのかすっかりいつもの調子だ。気怠げに目にかかった髪を顔を振って払う仕草をする。傷口は浅くて血はもうとっくに止まってしまっていた。棚から救急セットを持ってくると消毒液をユンギヒョンの肩に垂らす。ビクッと肩が震えて傷口に染みて涙目になっているのを見ながらガーゼをテープで止めていった。涙が一筋分は流れそうだな、と思ったときに身体が勝手に動いて涙をすくっている。ああ、またこれを舐めてしまったら興奮を抑えられないのに。俺は躊躇うことなくそれを口に含んだ。


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