「なんで顔隠すんですか」
クロスさせるように上げているユンギヒョンの腕が阻んでいる。腕の隙間から耳まで真っ赤にしているのが見えた。
「これじゃキスできないですよ」
んーっと唇を突き出して見せれば、俺に甘いユンギヒョンはするすると腕をおろしていった。そのままユンギヒョンに覆い被さって口付けようとすると小さく舌を出して見せてなんだか乗り気そうだ。じゅるって唾液を吸って舌をつんつんとつっついては、遊ぶように食む。ちゅうちゅう吸い続けると怒られるから一旦口を離してあげるとまた腕をクロスしてガードの姿勢に入る。
「顔見られるの恥ずかしいんですか?」
「今、明るいだろ。お前が今どんな顔してるかとか全部見えて……」
俺を見るのが恥ずかしい、ってことらしい。普通逆じゃないかな。でも俺に見られるのは構わないってことなら。悪戯を思いついたように黒い薄布を側にあった棚からとりだした。それをユンギヒョンの目にかけて後頭部できゅっと結んだ。
「違、電気消せばいい話で」
「僕はユンギヒョンの全部を明るいところで見たいし、ユンギヒョンは恥ずかしくないし、これでいいですよね!」
跳ねるような声音になる。最初こそ戸惑って拒否するような素振りを見せていたが、終いにはごにょごにょとまあ、これならいい、と許しを得た。
いよいよという時になって、熱を沈めようと穴にこつんと触れさせた。
「……あっ、怖、い。見えないと」
寝たまま、見えないのに後ろを振り返ろうとするユンギヒョン。
「手を握ってましょうか」
「うん……そうしろ」
枕を掴んで侵入に備えているユンギヒョンの手の上に自分の手を重ねて握る。そうしてあげると強張って力のはいったのが、緩んで少しリラックスしたらしい。もう大丈夫だというので今度こそずぷっと飲み込ませていった。
「んっ……全部入ったか?」
「まだですよ、あとちょっと」
「……っ、ふぅ……あっ……動かないのか?」
「いや、まだですって」
「はあ?まだって……っん」
いつもやってる事なのに何言ってるんだろう。感覚だけで実感したことがないからいつもとはやっぱり違うみたいだ。
「これ、テヒョンアのが、んっ……入ってんの?」
「そうですよ?」
「も、動いてっ、いい?」
って了承とる前にもう腰動いてる。まだ半分しか入ってないのに。奥まで届かないから、あれ?って感じになってるけど。根元までは入らないのに必死に奥を擦ろうとして俺から離れたりくっつけようとしたりしているのが可愛くってしばらく眺めてたけどもう限界だ。俺が奥までぐっと力を入れてついに深いところまで繋がった。
「あぁっ、テヒョンア。んっ、はあああぁっ」
「俺の、全部。覚えてくださいね?」
「覚えた、覚えたからっ、んっ……あっ、動いてテヒョンア!」
待ちきれない様子で腰をユンギヒョンが自分で揺らして擦れたので声をあげてる。見えないからってちょっと大胆になってる。自分が揺らしてることも気づいてないのかもしれない。期待に応えるように引き抜いてまた強く腰を打ち付ける。
「ひっ……んっ、あっ、あっ、あっ、ああぁっ、テヒョンアっテヒョンアあああっ」
「ヒョン、ヒョンっ、はあっ、俺はここだよ!」
ぎゅうって重ねた手をまた強く握って見えない不安感を解消してあげた。顔を見るのは恥ずかしいから嫌なんじゃなかったのかなってくらいに突き入れている最中、黒い布に阻まれたまま顔をよくこちらに振り返っていた。振り返ったところで見えないんだけど。
こちらを見るユンギヒョンにちゅうって口をつければ触れた瞬間はびくってなるけど俺の口だよって教えてあげれば夢中になって吸い付いてくれた。んく、んくって唾液まで絡めとって、本当に可愛い。強くぱんって打つと、声を出せない中でんっ!ってみじろいでくれるから最中にするキスは好きだ。ぬぽぬぽって入っていくから深いところを突きすぎないように抑える。
「もうそろそろですよ、ヒョン」
「奥?なぁ奥までっ」
きゅうって嬉しそうに締め付けてくる期待に満ちた様子にグラっと来そうになったけど今は駄目。奥に出すのはまた違う時に。
快感を出来うる限り制御して、頃合いになったころに擦っていたそれを引き抜いて、こちら側を相変わらず振り返っていたユンギヒョンに向けて勢いよく放出させた。
「はあっ、ヒョンっ……くっ……うぅ」
びちゃって音がして、見ると顔面に落ちている。後で怒られるだろうなあ。でもAVで見て一度はやりたくなっちゃうんだ。綺麗なユンギヒョンを汚してしまったらどんな風になるのかなって。ぬるぬるした液体を髪から滴らせてぽかんと口を開けてるユンギヒョンをまた上から覆い被さって、この件に関して怒られる前にうやむやにしてしまおうと俺はベッドに再び身を沈めていった。