【アンチノミー】
○どっちも成り立つこと
○二律背反
○同じ根拠に基づいて同時に相反する二つの事柄が成り立ってしまう事態を指す
「苗木君が好きなのは……僕だよ」
「ハァ?何言っちゃってんの?苗木は俺が好きなんだけど」
「でも……苗木君は、記憶を取り戻したわけじゃない……盾君だから好きってワケじゃないって事、だよね……?苗木君は、僕の告白だから、オッケーしたんだよ」
「んなワケないっての!大体さ、むくろのキャラは俺のトレースだし、言動も俺の台本あってこそだろ?ほーら!苗木はむくろじゃなくて、むくろが演じてた俺に惚れてんの!!」
「告白したのは……僕の意思だし……僕の言葉、だよ」
「うっざ!暗いしトロいし脳筋だしそもそも残念なのに何で余計な事するかなー。苗木へのプロポーズは邪魔なヤツらに潰し合いさせてからって決めてたのに」
「邪魔な、ヤツら……?誰、それ」
「今の流れで察せないとかマジ残念すぎるだろ……いろいろいるけど、お前だよ!お・ま・え!!」
「……何で?」
「お前が俺演ってる所為で俺は苗木に触れないのに、お前は俺演ってるからってベタベタベタベタ触りまくっててムカつくからだよ!!こんなんじゃ絶望すらできねえよ!!」
「え、盾君、絶望できないの……?どこか痛い?変な病原体とか、もらってないといいんだけど……」
「残念すぎて話になんないんだけど!!ああもう助けて苗木!!!」