clap_log#01


バチッ!
触れ合った瞬間の衝撃に、苗木と不二咲は小さな悲鳴を溢して反射的に手を引っ込めた。

「び、びっくりしたぁ…!」
「静電気かー……最近寒くなってきたもんね」
「そうだね……冬って嫌だなぁ」

繋ぎづらくなった手を見ながら不二咲が呟く。
静電気だとはわかっているのだが、まるで拒絶されたような気になってしまう。

「でも冬はクリスマスとかお正月とか色々あるよ?雪も降るし」
「え、えーと、そういうんじゃなくてぇ……」

チラチラとこちらを窺う不二咲に、苗木は小首を傾げた。
反して不二咲は染まった顔を隠すように俯く。
まっすぐ伝える言葉が見つからないまま固まる不二咲は「っくしゅ」と小さなくしゃみをこぼした。
だいぶ着込んでいてもやはり寒いものは寒い。

「だ、大丈夫?……寒いし、手繋いでおこうよ」
「え、あ、うんっ!」

静電気に怯えながらも指先を触れ合わせ、手のひらを合わせ、しっかりと手を繋ぐ。
冷えていた手も、繋いだ途端にあたたまった気がするから不思議だ。

「えへへ、あったかいね」
「そうだね。まだ手袋なくても大丈夫かもしれないね」

顔を見合わせて笑って、繋いだ手をもっとぎゅっと。
繋がったそこから温かさと想いが伝わるようにと願いを込めて。






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