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俺はお前のもんやっちゅー話

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「俺のもんっちゅー証拠が欲しいんすわ」

そう呟いた財前はあまりにも小さく見えて、俺は思わず頷いていた。



「っひ、…ぅ、」
じわじわと焼け付くような痛みが胸を支配していく。普通なら有り得ない場所に穴を開けられ、俺は思わず視線を逸らした。

「謙也さん、痛いっすか…?」
勿論痛い。痛いに決まってる。数分前に開けられた穴からはまだだらしなく血が垂れてくる。ここ、こんなに血が出るんやな。そんな事を考えてると小さくだが財前が謝る声が聞こえて、俺は痛みを堪えて苦笑する。
「痛いけど、こん位なんでもないっちゅー話や」
「な、なんやそれ、…ほんまドMっすね」
それに安心した様に一息つく財前が愛しくて、俺とは違って全く傷んでない綺麗なその黒髪に指を通す。
サラリと指の間を髪が通り抜ければ、「謙也さん…?」と財前がくすぐったそうに微笑んだ。

「何色にするん?」
それ、と、そのまま整った耳に指を這わせれば、財前はピクリと顔を歪める。
(エロい顔…)
ふ、と息を吐きながら上目でこちらを見る財前にぞくりとする。

「もう乳首、大丈夫っすか」
気が紛れたからか、さっきより大分痛みが無くなった。僅かに首を縦に振れば安心した様に財前はソファー脇に置いていたらしい黒のピアスを手にした。財前が耳にしてるのより少し大きな、輪っか状のピアス。こくり、と喉がなった。僅かな恐怖と、大きな好奇心。

「っ、ん、…は、」
財前の指に愛撫され赤く色付いたそこに通された黒いピアスはとても滑稽で、それでもそれを愛し気に見つめる財前が幸せそうで俺も笑みを零す。

本当は指輪でもやれればええんやろうけど、中学生の俺らにはちょっと難易度が高い。それにいくら部員などにはバレてるとは云え、他の人間に俺と財前が付き合うてる事が知れてまうんは正直怖い。
せやから、思い至った結果がこれやった。我ながら頭悪いなーとは思うけど前に見たAVでこういうのあったなって、頭が導き出してしもたんやから仕方ない。流石に財前も最初はびっくりしよったけどな。


「謙也さん、」
考えに耽っていれば名を呼ばれて頭を上げる。俺の乳首にピアスつけるだけやったから、俺は上着以外は着とるし、財前なんか全くどこも乱れてない姿や。せやけどぐり、と俺の太股に擦り付けられるそれは明らかに欲情しとって。

「…ええよ、シよか」
少し痛いけど、誘うように乳首を財前のシャツに擦り付ければ、ボタンとピアスが当たり、カチリと音を立てる。

「っ、挑発、せんで下さい」
「さっきからずっと我慢しとるんならキツいよな?」
クスクスと笑えば、チッと軽く舌打ちをされる。態度悪いで財前、そう云う前に唇を塞がれた。


「ん、っ、…ざいぜ、」
ぽたりと財前の汗が俺の腹上に落ちる。さっきからずっと我慢しとったからやろうけど、いつもなら余裕ぶっとる財前が俺の中に挿れただけで達きそうになっとる。
流石にそれはプライドが許さないんか堪えたみたいやったけど、それでもかなり余裕の無さそうな表情に俺は密かにほくそ笑む。
いっつも俺ばっかり翻弄されるから、こういう時位乱したいと思うのは年上なのに女役をさせられとる立場から云えば仕方ないっちゅー話や。

「何笑っとるんですか」
それに気付いた財前がむすりと訊ねる。「財前が可愛えな思て」と囁けば顔を僅かに朱くして、「それはこっちの台詞や」とぶっきらぼうに呟き、集中して下さい、と腰の動きを大きくする。

「っ、あ、は、…んっう、」
ガツガツと突かれるが、中々良いとこに当たらず腰をうねらせ自らそこに当たるように導く。
「淫乱」
財前はそれに気付いてそう囁くとニヤリと笑い、更に腰を引いて逃げていく。わざと当たらないようにしている。
「っ、財前、」
もどかしさに睨み付ければ、楽しそうに微笑まれた。S丸出しの表情にゾクリとする。こんなん我慢出来るかっちゅー話や!

「財前、はよぉ…」
誘うように囁いたつもりだが、財前は未だに余裕ぶって「何をっすか謙也さん」と笑っている。ナカにおる息子さんおっきくさせといてなんやねんこいつ。そう思いつつも口で財前に勝てるはず無いし何よりももう我慢が出来ない。理性なんかとっくに無くなってる。

「財前の、おっきいんで…っ俺の中いっぱい突いて気持ち良おさせ…っぁああ!」
流石にこれにはかなわなかったみたいで、俺が云い終わる前に激しく腰を打ち付けてきた。

「あっ、は、んっ、ざ、ざいぜ、ぁあっ!」
あかん、めっちゃええ。元々早漏の俺が(自分で云うのも何やけど、そういうとこも速いねん)我慢出来るわけがなく、すぐに射精感が訪れる。

「財前あかん、イく、イってまっ、ん、ぅっ、」
瞬間、口を吸われて咥内も激しく蹂躙される。こんな激しくされたら俺やなくてもアウトやと思うで!
そんな事を考えながら、秘孔を締め付ければ、財前が「ええですよ」と囁くのがわかる。俺も限界なんで、と云う言葉の通り、ひたすらに貪る様な動きになり、とうとう俺は我慢が出来なくなって財前にしがみつきながら射精した。


「…痛ないですか?」
控えめに問われ、俺は苦笑いする。
「俺が云い出したんやから気にせんでええっちゅー話や」
「せやけど、」
中々気にしてくる財前の頭をぐしゃぐしゃと掻き回せば「なにすんねんどアホ!」と突っ込みと云う名の鉄拳が来た。こういう時でも突っ込み忘れひんねやなお前。むしろ今のが痛かったで。
それを伝えれば財前は複雑そうな表情で黙り込んだ。

「…まだ不安なんか?」
この行為の目的について問えばふるふると首を横に振り、シーツにくるまった俺を抱き寄せてぼそぼそと呟き始めた。
「謙也さんが俺を捨てひんっちゅーのは、わかっとるんです」
「…おん」
「自惚れ、やなくて、あんたが俺をほんまに好きでいてくれてるん、毎日感じ取るから」
「…ん」
「せやけど、俺はまだガキなんすわ」
財前らしかぬ発言と、切なげに顰められた眉に俺は愛しさが募るのがわかる。普段は生意気やのに、こういうの卑怯やろ。

「やから、なんか形が欲しかったんすわ」
あんたの発想は意外でしたけど、とそれを指され俺はうぐ、と黙り込む。悪かったな頭悪くて。
そう云いかけると、不意に額に降ってきた口づけに数度瞬いた。
「…おおきに、謙也さん。愛してますわ」
そう囁きながら俺にキスをする財前はほんまに格好良くてー…

「俺も愛しとるで光。」

願わくばこの年下の彼氏がこれ以上不安になってしまわんように、なんて考えながら、ゆっくりとその唇に口づけた。



end



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うーん…わかりにくいですね(苦笑)
財前君が謙也さんを自分の物だって
確認するために謙也さんの乳首に
ピアスぶっさしましたって話です←最低

光謙はエロ率高いなぁ←






――俺はお前のもんやっちゅー話――




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