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会いに行く会いに来て

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ふらふらふらふら、本当に千歳は風のようなやつだ。
最近はこれでも大分部活に顔を出すようになったが、中々さぼり癖は治らないようで根本的に学校に来ない。
今日もオサムちゃんに呼び出され、数枚のプリントを渡された。

「白石ーまた千歳に持ってって欲しいんやけどー」

気怠げに云われ、俺は「またですか」と溜息を吐く。
本来なら担任が持って行くものだろうが、クラスからだけでなく色々な部所から集められるそのプリント達は最終的に教師間でオサムちゃんに渡す、という方程式が出来てるらしく、オサムちゃんは「ホンマ皆俺がイケメンやからってひがんどるんや」とブツブツ愚痴る。

「しゃーないから持ってったりますわ」

そんな様子に苦笑いをこぼしつつ俺はひらひらとプリントをオサムちゃんの目の前でふって職員室をあとにした。
「おおきに白石、今度お礼にこけし仰山やるわ!」と手を振る顧問に再び苦笑いする。

(こけしはいらんっちゅーに)
ホンマあの人は、なんて思い出し笑いをしつつその扉を叩こうとすれば不意にガチャリと開き、俺は間抜けな顔をしてしまう。否恐らくそれでも俺はイケメンやけどな。

「やっぱ白石ばい」
柔らかく微笑む千歳に一瞬ドキリと胸が音をたてるが、ここへ来た理由を思い出し小さく咳払いをしてもじゃもじゃな頭に拳をぶつける。

「っ、白石痛かぁ」
「なにが「やっぱり」や!わかっとるんやったらちゃんと学校に来いや阿呆!」
「そ、そんなに怒らなくても良か…」
ぐ、しゅんとする千歳に耳が見える…!しかしここは絆されたらいかんとこや!

「部活にも来んで何しとったんや」
なるべく怒ってるのが伝わるように低めに声を出すが、そんなの関係ないと云わんばかりに千歳はへらりと笑った。

「学校には行こうとしたばい、ばってん途中で猫さん見つけたり太陽ば気持ち良か日向ぼっこちしてたら日が暮れたり、雨んなったりしたばい」

だから結局帰ってきたと。こいつは本物の阿呆かも知らんな…。呆れて物も云えなくなってると、「それに、」と続けられ視線だけちらりと動かす。

「学校ば行かんかったら、こぎゃん風に白石が家に来てくれるたい、嬉しか」

ぐ、あ、っ!
あかんあかん明らかに俺今顔赤くなっとるわ!そう思った瞬間に千歳に手を引かれる。

「せっかく来てくれたたい、中入りなっせ」
美味しいお菓子見つけたばい、と笑う背中に何も云えなくて、俺は小さく唇を噛み締めた。


(俺は毎日会いたいのにお前はそうじゃないんか、とか云うつもりやったのに、そんな風に訪問を喜ばれたら許してまうやんか阿呆千里…!)



 end



**********


すいませんなんか不完全燃焼…!

本当はもっと白石が格好いい予定でした趣味が出ました千歳格好いいよ千歳はあはあはあはあ


わかりにくいけどちとくらは付き合ってるよ!
オサムちゃんは気づいてたらイイネ!←





――会いに行く会いに来て――




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