君の笑顔が眩しい
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「金ちゃんはどっち側が良いん?」
とある日の放課後、朝から天気が崩れ部活が出来そうにないからと、自主トレと称して皆でコントであったりただのだべりあいをしている中、突然そんな会話は始まった。
発端は金ちゃんの「コシマエに会いたい…」という呟き。それを拾った千歳が恐らく全ての原因。
「前から気になっとうち、金ちゃんはコシマエ君と付きおうとね?」
それは以前から部員の皆が気になっていた事で、師範ですらもぴくりとこちらに耳を傾けている。そんな皆をさして気にするでもなく、金ちゃんはそらもう幸せそうに大きく頷いた。
「おんっ!せやで!コシマエとわい、めっちゃラブラブやねん!」
予想はしていても、恋人が出来たという事実はあまりにも彼に似つかわしくなく、空気が一気に変化する。
「き、キスとかしたんか?」
恐る恐る謙也がそう問えば、はにかむように「そりゃするやろ、付き合うとんのやから…」と金ちゃんらしかぬ恥じらいを見せた。
「金ちゃん、大人の階段登ってもうたんか…」
「アホか一氏!大人の階段っちゅうんは、」
「…」
「…」小春とユウジがまさか、という表情で覗き込む。いやいやいや流石のあいつでもそこまでは、なんて云うてられんのが青学のルーキーや。部員皆が嫌な汗をかいてじっと金ちゃんの返答を待つ。否、一人だけ平然としてる奴がおった。
「金ちゃんはコシマエ君とセックスばしたと?」
ぅおおおおおい千歳ぇえええええ!
それはあまりにも直球過ぎるやろ!それは無いやろ!全員から全力で突っ込みが入る中、金ちゃんは恥ずかしそうに「そ、それな、今度のお泊まりでって話になってん」と呟いた。
なん、やって…?
全員の血の気がざぁっと引いていくのがわかる。
そりゃ、付き合うとるんやったらそういう事もするんかも知らん。かも知らんけど、金ちゃんはまだ俺らからしたら可愛い子供やそんな金ちゃんがあんな根性ひん曲がったがきんちょに食われ…あれ?
そこではたと気付く。恐らく小春や小石川達も気づいたんやろな。
まぁ、そこで冒頭の台詞に戻るっちゅうわけや。
「…どっちってなんや?」
きょとんと小首を傾げる姿はほんまに可愛いえんやけどな金ちゃん、今はそんな状況ちゃうねんで。皆してどう説明したものかと戸惑っていれば答えは意外とあっさり出てきた。
「金太郎はネコっすわ」
「「財前!」」
「そう云えばお前どこ行ってたんや!つか最初からおらんかったんかお前!」
謙也が問えば「どうせ自主練やったんで新譜眺めてましたわ」とさらりと云うたけどそれただのサボりやでお前。ほんま先輩に対して遠慮ないな。しかし突っ込むべきか考えているうちに話は進む。そろそろ文字数ヤバいねんて。
「大体なんで金ちゃんがそっちて、」
「普通に考えてこいつがリード出来るわけないやないすか」
「確かにそうかもしれんけど…」
「それに相手はあの一年すよ」
「ぬ…ぬぅ…」
「あんなん相手やったら謙也さんでもネコ側なってまうわ」
「ちょっと財前聞き捨てならんのやけど」
「そない云うたら蔵りんとかも危ないんやないの?」
「こ、小春はあんなやつになびいたらあかんで!?」
「み、皆ちょっと落ち着かへん…?」
「結局金ちゃんが突っ込まれるち事とね?」
「千歳自重して!」
誰が何云うてるかわからん中金ちゃんがも〜面倒くさいわ皆!と叫ぶ。
「わ、わいがコシマエに抱かれたいだけや!それでええやろ!」
がぁぁぁあああん!
これが漫画やったら皆の頭上にはわかりやすい位にでかい書き文字が出とるで。
ああ、なんやいろんなもんが終わってしまった感じや。
あまりの絶望に打ちひしがれる俺らなんか知らんとでも云うように、千歳に惚気始める金ちゃんの顔は、そらもう幸せそうで、俺らの知っとる金ちゃんはそこにはおらんかったんや。
覚えとれよ青学ルーキー…!
(なんや色々な衝撃が一気にきたからオチなんかつけれへんわ!)
end
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途中書いてて一番俺がよくわからなくなった。
長い!www
漫画にした方が絶対楽やなと思いましたまる←
四天のわちゃわちゃしてるのは可愛いですね中々書くのは難しいんですが。
――君の笑顔が眩しい――
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