頭悪い黄瀬くん


黄瀬くんは頭が悪いから、黒子っちに云われたことを全部鵜呑みにしそう。めんどくさい。
黄瀬くんがわがままを云って、
「あ、ごめん黒子っち、俺、」
って謝ろうとした時に黒子っちが笑って
「良いですよ黄瀬くん、黄瀬くんのわがまま、可愛いです」
って云われて、ああ、黒子っちが可愛いって云ってくれた。
なら良いんだ、わがまま云っても良いんだって思っちゃう黄瀬くん。
でも全部を許可したわけではなくて、もしかしたらその時の小さなわがままが可愛いと思っただけかもしれないのに、黄瀬くんはそれからわがままをいう事に躊躇いがなくなったりしたら良い。黒子っちはどうして、前はもう少し我慢してたのに、って不思議なんだけど、聞くわけにもいかないから黙ってる。
だけどそういうのって積もっていくもので、黒子っちは我慢が出来なくなるよね。しんどいなって思ってくる。
「黒子っち、なんでこの日予定入れたんスか、俺オフだって云ったじゃん」
「え、あの、」
「俺がオフの日になんで遊びに行くんスか!」
「え、黄瀬くん、でもその日約束してませんよ?」
「約束してなくても俺が休みなんだからく黒子っちは俺の相手してよ!」
「…え、なんですか、それ、」
「恋人でしょ?」
(なんで、だってそんな、当たり前みたいな、え、どうして、)
「もー…どうせ火神っちとストバスとかなんでしょ?俺も行くっスから」
「は、」
「火神っちなら別にいいっスよね!」
「ちょ、ちょっとまって下さいそんないきなり、」
「黒子っちは俺と一緒が嫌なんスか?」
「そういう話ではなくて、」
「なら良いじゃないっスか」
「なんで、どうして、どうして君は、」
「…ダメなんスか」
「黄瀬くん、…最近の君やっぱりおかしいです」
「…え、」
「どうしてそうやって、自分の意見ばかりになったんですか、恋人だからなんて、それらしい事を云っていても、そんなのただのわがままです」
「…、なんで、」
「…黄瀬くん?」
「なんで、いけないんスか?黒子っち、俺がわがまま云うの可愛いって云ってくれたじゃないっスか」
「…え?」
「俺が、わがまま云うの、可愛いって…云ってくれたじゃないっスか…!」
「…、あ、あれは、違います、というか、アレはあの時の事に適応するものでー、」
「ち、がう、の?」
「…違います、僕は、わがままが可愛いだなんて、そんなの、どうして思っちゃったんですか…」
「っ、だって…!だって、黒子っちが、…え、…違ったんスか…?」
そこで初めて自分が黒子っちに沢山迷惑かけてきたんだって自覚する黄瀬くん。遅い。

なんで、どうして、当たり前じゃないっスか、なんでこんな簡単な事わからなかったんスか俺、黒子っちの反応を見てればわかる事じゃないか。…最初のころみたいに、優しく可愛いと云ってくれた黒子っちはいない、俺のわがままを聞いてる時の黒子っちの顔は、いつも辛そうだったじゃないっスか…、
めんどくさいけど、そういうとこが可愛い、なんて、バカみたいに鵜呑みにして、行動すべてに当てはまると思って、許してもらえるんだと、それでもっと好きになってもらえるなんて、どうして思ってしまったんだろう、こんなに、俺はこんなに黒子っちを苦しめてたのに…。
「…俺、ほんとバカっすね…」
そうやってわかってくれたらいいけど黄瀬くん頭悪いから「なんで喜んでくれないんスか黒子っち、俺のわがまま可愛いんじゃないんスか?」とか云いそうでほんとうちの黄瀬くんめんどくさい。


0605 (16:05)






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