自分を嫌いな黒子


黒子っちって黄瀬くんを好きになればなるほど自分が嫌いになるんじゃねーのって思った。

黒子っちは黄瀬くんに恋をして色々な事を知っていくんだけど、それって決して良い感情ばかりじゃなくて、むしろ嫌な感情の方が多くて、そういう感情に頭がついていかなくて定期的に逃げ出したくなる黒子っち。
黄瀬くんはやっぱりどうしたって綺麗な好きばかりだから黒子っちを理解できない。
「…、」
「黒子っち…?」
「…すいません黄瀬くん、今日は帰って下さい」
「っえ、あ、俺、なんかした?何かあるならー、」
「違います、けど、今日はダメなんです、朝、夢を見て、」
「…夢っスか?」
「…、すいませんなんでもないです」
「黒子っち…ちゃんと云ってくれないと、俺わかんないっス」
「云いたくないです」
「黒子っち…!」
「…、君に、捨てられる夢を見ました」
「っ」
「女の人が好きになったからと、突然別れを告げられて、夢だとわかっていたのに震えが止まらなくて、学校では4回も吐きました…」
「、」
「…どうして…どうして僕がこんな想いをしないといけないんですか…!」
「くろこっち、」
「君なんて僕の下ではしたなく喘いでるくせに…!今更女の人を好きになるなんて出来るわけないじゃないですか…!あんなっ…どうして僕を捨てたりなんかー、」
「…っ黒子っち、夢っスよ、大丈夫、俺はちゃんとここにいて、黒子っちが大好きっス…」
「…、は…、っ…!」
そうやってわけがわからなくなる黒子っちを抱き締めて黄瀬くんは大丈夫っスよって笑うんだけど黒子っちはなんで黄瀬くんが笑うのかわけがわからない。
(僕はこんなに苦しいのに、どうして君は大丈夫だなんて薄っぺらい言葉を投げて笑うんですか…)そんな風に思ってしまって、嫌悪する。
(違う、黄瀬くんは僕を想ってそう云ってくれてるだけだ、悪くない、こんな事しか考えれない僕がいけないんだ、違う、違う…!)
そうやって黄瀬くんに感情をぶつける度に自己嫌悪する黒子っち。
でもそんな黒子っちの気持ちに、黄瀬くんが気付く事は無いんだろうなぁ…。
なんていうか黒子っちと黄瀬くんは愛のベクトルが違ってて、黒子っちは最終的に
(黄瀬くんの事なんか好きになりたくなかった)
って思っちゃうようなそういう負の感情が沢山な愛なんだけど、黄瀬くんは
(黒子っち、もっと、もっと俺の事好きになってくれないかな)
みたいな綺麗な愛…っていうか。



0605 (15:58)






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