成長赤降


僕の事を見ると怯えてばかりだった彼が、僕を見ると笑うようになったのはいつからだっただろうか。
「…光樹、」
「んー?」
「…君は、僕がもう怖くないのか?」
「…なんの話?」
「…いや、なんでもない」
「…赤司はさ、」
「?」
「俺の機嫌を伺う様になったね」
「…、そう、かな」
「そうだよ」
「…そう」
「…昔みたいに、自分に自信がある赤司の事、俺嫌いじゃなかったよ」
「…それは、」
「でも、そうやって俺の事考えて、不安そうにしてる赤司もすき」
「え、」
「でも、俺が一番好きな赤司は、俺の事を好きだって云って幸せそうに笑うやつなんだ」
「…、」
「なんも考えてないみたいに、笑う赤司がすき」
「…光樹、」
「…笑ってよ赤司、俺はどこにもいかない」
「…、(君が笑う様になったのは、いつからだっただろうか…)すきだよ光樹」
「俺も好きだよ赤司」
「…(君の笑顔が、一番好きなんだと思ったのはいつだっただろうか)」
「…たくさんたくさん、笑っていようね…」
「ああ、そうだな…」



0602 (23:06)






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テーマ「人外ファンタジー」
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