白銀の狂詩曲【短編】 | ナノ


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シトリーの朝は早い。
夜明けと共に起床し、早々に食事を済ませ、礼拝をする。その後、墓地の見回りをし、教会内の雑務を黙々とこなす。
昼食は早めに取り、それから再び礼拝。此処で、午後の仕事に入る前に、熟睡しているレライエを叩き起こす。放っておくと、レライエは夕方まで寝こけている。シトリー個人の仕事に支障が出る訳では無いが、血を分けた兄弟がだらけているのを見るのは耐え難い。彼の真面目さに、レライエは何時も苦笑していた。尚、レライエの寝起きは悪く、不機嫌な場合が多い。口論だけで済むなら良い方で、酷いと殴り合いに発展し、大変な事になる。勝つのは大体シトリーだが、無傷で済むとも限らない。
兄弟を起こすと言う大仕事の後は、また教会内の雑務をし、夕食の準備に取り掛かる。何時も食事は早めの時間帯だが、もう慣れた事だ。それにより、空腹を覚える事も無い。食後は三度目の礼拝をし、葬儀屋の仕事に取り掛かる。上からの命が下るのは決まって夜だ。毎日では無いが、何の前触れも無く上司が現れ、シトリーに必要事項を伝えると早々に去って行く。事前に連絡でも有れば心の準備も出来るのに、と不満を漏らした事が有るが、上司がそれに取り合ってくれる事は無かった。
葬儀屋としての仕事が早く済めば、風呂に入り、寝る前の礼拝をする。床に就く時間はその日によって異なるが、多少睡眠時間が減った所で、シトリーは気にならない。幼い頃は、もっと過酷な生活を強いられていたのだ。寝る時間が一時間、二時間ずれる等、大した問題では無い。

そんなシトリーの一日。




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