白銀の狂詩曲【短編】 | ナノ


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ジェレマイアの朝は枕元に置いてある目覚ましの音で始まる。
けたたましく鳴る時計を片手で叩いて止め、眠い目を擦り、ベッドから出る。この時既に時刻は八時を過ぎており、早い者は既に仕事に出ている。だが、フリーランスの仕事をしているジェレマイアは時間に縛られる事無く、常に自分の動きたい様に動いている。
朝食は何時も自分で作る。市場で買って来たパンと、食事のバランスを考えた野菜サラダ。それに何時も得意としている卵料理を添え、朝のニュースを眺めながら食べるのが日課だ。コーヒーにはミルクと砂糖を入れる。ブラック派のニュクスには邪道だと言われるが、苦すぎるコーヒーは苦手だ。
食後は片付けをし、掃除と洗濯を済ませてから家を出る。仕事が有ればそれを行い、無ければふらふらと散歩をする。気の向く儘、足の向く儘。ただ、治安の悪い南エリアは避け、東エリアの洒落た街並みを楽しむ事が多い。
昼過ぎに行きつけのカフェで食事をし、午後は再び仕事に出る。終わる時間にもよるが、夕方は大体バー・月桂樹へ行き、情報収集に勤しむ。タイミングが合えばニュクスと会い、共に仕事をする事も有る。ただ、彼の行う仕事は少々過激で、ジェレマイアには付いて行けない事がある。何時だったか、目の前で彼の腕が吹っ飛んだり、腹を裂かれて内臓と対面した事があり、結構なトラウマだ。最初の頃よりは大分慣れたが、それでも可能ならば避けたい事案である。
帰宅後は風呂に入り、日付が変わるか否かの時刻に就寝する。最低でも八時間は眠らなければすっきりしない体質の為、余り夜更かしはしたくない。

そんなジェレマイアの一日。




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