「はい」
「……どうも」
手渡された花火。くれたのは高瀬でも島崎先輩でもなく山ノ井先輩。正直気まずい。自分で言うのもあれだがあの変な告白から私は山ノ井先輩を避けまくってた。
「なんで避けんの?」
「べ、へつに避けてなんか、いませんよ」
「嘘つけ、うりゃ」
「うぁ、」
ほっぺたをつままれ変な声がでた。最近変な声ばっか出んなー。なんて思いながら視線を島崎先輩に向けると奈々先輩と楽しそうに花火をしてる。島崎先輩はホントに奈々先輩をフッたのだろうか。島崎先輩の嘘だったりして。
「心配しなくても慎吾とうまくいくように協力したげるから」
「へ、まっ、待ってください協力なんていりま「しんごー、名前ちゃん呼んでるー」
なんちゅう強引な。なにーとか言いながら私の所まで来た島崎先輩。山ノ井先輩は島崎先輩を私の隣に座らせ逃げた。なに話せばいいか分からない。
「なっ、奈々先輩と付き合ってるんですか?」
何を聞いてるんだ私は!焦りすぎて噛んだし。あー、絶対変な奴って思われた。呼んでまで言うことじゃねーだろ!みたいな
「いや、つかこないだ振ったて言わなかったけ」
「い、言いました」
「あっ、もしかして俺に惚れたとか」
「っ、…」
「あ、マジ」
冗談で言ったのかこの人は。心臓止まるかと思ったじゃないか。しかもバレたし、最悪だ。
「じゃ、付き合う?」
「へっ」
今この人なんつった?つきあう、付き合う?誰が?私と島崎先輩が?ないないない。
「俺と付き合う?」
「……」
ホントに?私と島崎先輩が?マジでか!
「いや?」
「いや、あの嫌じゃないです。けど、島崎先輩、私のこと好きなんですか?」
「…、わかんねー」
「……」
分かんないって何!分かんないんだったから軽々しく付き合うとか言わないでほしい。来るもの拒まずか!あ、でも奈々先輩は振ったんだよな。って違う。好きか分からないのに付き合うとかなんなんですか。
「じゃあ、いいです」
「なんで?」
「好きか分からないんだったら私のこと本気で好きになってから付き合ってください」
「んー、わかった」
この人、見かけ通り軽いな。