「……」

「あー、名前ちゃん」

「あ、お前なんで居んの?」


ドアを開けたらまさかの島崎先輩が。隣にいるのは確か、山ノ井先輩だったはず。てかなんで名前知ってんだ。
いやいや、それどころじゃない。私の目の前に島崎先輩がいるよ。嬉しいんだか、悲しいんだか、分かりません。


「慎吾さん!山さん!」

「おー、準太」

「来るの遅かったすね」

いやー、実はさー…と私の存在を忘れたかのように隣を過ぎ、部屋の奥に、つまり高瀬の部屋に入って行く。私も慌てて後ろを着いていく。






「準太トイレ借りる」

三人で楽しそうに会話し、端っこで大人しくしてたら島崎先輩がトイレに行った。ふと視線を動かせば山ノ井先輩と目が合って先輩はにこっと笑った。


「あ、そーだ。名前ちゃん慎吾の事好きなんだって?」

「ぶはっ!!」

な、ななななんですと!?突然の事に吹き出してげほげほむせる私に、お前なにやってんだよ、とめんどくさそうに高瀬は自分のタオルを私に投げた。
それで拭いとけと言われて言う通りにする。すいません洗って返します、と言えば当たり前だろ、と真顔で返された。
てか、なんで私が島崎先輩の事好きって知ってんの?大方察しはつくけども…

「こないだ俺と高瀬と慎吾とで昼メシ食ってる時高瀬から聞いたんだ」

「え、ちょっ!高瀬から聞いたって……島崎先輩の前でですか!?」

「慎吾は購買行ってていなかったから」

よ、よかった……って違う!ひいいぃ、あんの馬鹿なんでそう軽々しく人に喋んのよ!しかもよりによって山ノ井先輩に!なんかこの人口軽そうだし……あーもう!

「絶対に誰にも言わないで下さいね!?」

「ははっ、言わない。俺もいろいろ手伝ってあげるから」

「えっ?や、あの」

「んな遠慮すんな」

「や、ちがくて、」

「さーて、そうと決まったら明日から決行!」

「えぇっ!?」

なにこの展開まじ意味わかんないんですけど!手伝うとか以前に私の恋はもう終わったんですよ失恋しちゃったんですよだからもうなにもしてもらわなくていいんですよ!だからそんな笑顔で明日楽しみだなーとか言わないで下さい…











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