「おはよ」

朝起きると榛名があたしの家で何くわぬ顔でテレビ見てた。少し動揺した。

「今日、休みなの?」

「あぁ」

「そっか」

会話終了ですか。なんかもっと言いたいこと沢山あったはずなのにね、実際会うとなにも言葉にならないや。

「この前は悪かった」

「へっ?」

「あの女、俺の事好きだって言ってしつこいかったんだよ」

「…で、どうしたの」

「一回抱いてくれたら諦めるって言われた」

なにそれ。あたしこんなこと聞くために今日会ってんだっけ。あたしは本当に榛名の彼女だよね?

「どうしたの」

「一回だけ抱いた」

最低。そんなこと聞きたくなかった。3年間好きなあたしがバカみたい。

「…なによそれ」

「だから悪かったて。隠すのもあれだか言ったんだろ!」

「言わないでくれた方がましよ!大体榛名にあたしの何がわかんのよ。電話は出てくれないし、久しぶりに会ったら女といるし、テレビ見るたびどんどん離れて行くようなこの気持ちが榛名には分からないでしょ!」

こんな荒い声をあげたのはいつぶりだろう。そんな事一々覚えてらんないけどね。

「わりぃ」

「ごめんあたしもムキになりすぎた」

「俺は名前しか見てねぇから」

「それは分かってるつもり、だけどもう無理だよ。あたしと別れて」

「はっ?ふざけんな!」

そう言ってさっさと家を出ていった榛名。
いつもあたしの意見は通らない。









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