「名前今日どっかいかね?」
あれから自然と高瀬とは意気投合してよく遊びに行くような仲にまでなった。高瀬と居ると気が楽になる。
「何処行く?」
「こないだ行きたいって言ってた店は?」
「いいね。じゃ、行きますか」
今まで誰かと遊びに行くことなんてなかった。友達もいないし、この年になって友情なんて暑苦しものいらないと思ってた。
「この店いいね。料理も美味しいし」
「男だけじゃ入りにくいけどな」
「いいじゃんあたしと来れば」
「さらっと告白か?」
「違うわよバカ。っとちょっとごめん電話だ」
榛名の着メロだ。他の男と会ってんのにあたしの中に出ないという選択肢はなかった。
「もしもし」
「明日会えねぇ?」
「別に用事は入ってないよ」
「じゃあ、お前んち行くわ」
いつものように勝手に電話は切れた。もっと話したかった。でも、明日会える。
「口、ニヤケてんぞ」
「えっ、嘘!」
「バーカ、」
「からかったの」
「電話誰から」
「あー、彼氏?」
「彼氏いたの」
「うん。言ってなかったけ」
「うわー、マジかよ」
「えっ、なんで」
「名前なんかに彼氏ができんだなって」
「バカにすんなよ」
「はいはい」
これは、浮気に入んないよね?