学校を初めて休んだ。今まではしんどくてもあの席に座ってグラウンドを見てるだけでどうでもよかった。全部高瀬のせいだ。高瀬が隣にいるだけで辛い、息苦しい。

「苗字なにしてんの?」

「…」

誰もいない部屋耐えられなくなってコンビニにいくとまさかの高瀬がいた。

「外暗いの分かってんの?」

「…じゃ、じゃあ帰るね」

「まてよ」

昨日の手だ。高瀬は昨日と同じようにあたしね手を掴む。あたしの気を狂わせる。

「送る」

「…いい」

「送らせろよ」

それから無言であたしの手を引いて前を歩く高瀬の背中を見つめながら後ろを歩く。

「明日学校来んの?」

「…分かんない」

「なるべく来いよな。隣寂しいから」

やっぱり彼は不思議な人だ。あたしが居なくても世界は廻るし、誰も困らないのに彼はあたしを必要とする言葉をかけてくれる。

「…好きなの」

「えっ?」

「野球」

「あぁ、俺も好き」

なんで自分からこんな事を言ったのか分からないけど高瀬にあたしの事を知ってほしくなった。





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