高瀬の事を考えると胃が痛くなる。授業中も窓の外を見ながら気がつくと高瀬の事を考えてしまってる自分がいる。気持ち悪い。ぐるぐるする。きっと軽い夏バテだろう。保健室に行こうと階段に第一歩を踏み出したら世界が反対になった。

「…」

「大丈夫かよ?」

体に痛みはなかった。高瀬のがっしりした手があたしを支えていた。

「大丈夫」

「保健室行くか?」

「…行かない」

高瀬の手を振り払いくらくらする頭で立ち上がる。周りの目が痛い。辛い。まるで高瀬が好きみたいじゃないか。

「保健室行くぞ」

「…行かない」

「ほら」

手を引っ張る高瀬。なんであたしにそこまでしてくれんの?なんでカマってくれんの?あたしなんか居なくてもだれも困らない存在なのに。

「…ほっといてよ」

「え」

「高瀬に何がわかんのよ!」

せっかく引いてくれた手を差しのべてくれた手を振り払い荒い声をあげる。大声をだしたのはいつぶりだろう。

「苗字は不器用だよな」

「…え」

「保健室行くぞー」

振り払った手をまた掴んでくれる高瀬。あたしは下を向いて後ろをついてった。
なんで涙が出るんだろう?






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