高瀬の事はすごく好きだけどそれが恋かって聞かれたら分かんない。
けどあれ以来、高瀬が滅多に話しかけて来なくなった。胸がズキズキして、吐き気が止まらない。高瀬と体育大会の時話してた女の子といるのをよく見るようになった。付き合ったのだろうか?あたしには関係ないけど。気になる自分がいる。悔しい?いや、悲しいに近い。
放課後いつも自分の席に座って外を見るけど、誰もいない教室をいいことに高瀬の席に座ってみた。
高瀬の席からは空とあたしの席しか見えなかった。
自然と涙がでた。
「苗字?」
「…っ!」
ガタッ
あたしは慌てて席を立ち後ろのドアから出ようとしたが流石運動部。あっという間に後ろのドアは行き止まりになった。
「なんで泣いてんの?」
「ごめんなさい」
「なんで俺の席にいたの?」
「ごめんなさい」
人前で泣いた事なんてなかったけど泣き崩れてしまった。うざい女だと思われる。いやだ。
幾ら自分に言い聞かせても涙は止まらなくて余計に出る。
「あっ、あた、あたし」
「ゆっくりでいいよ」
「気づくの、遅くて、こっ、こう、後悔した」
「なにが」
「あたしっ、た、高瀬が好き、」
「…マジ?」
「だから、ごめんなさい。好きになってごめんなさい。ごめんなさい」
「俺ら付き合お」
「えっ?」
一気に涙が止まった。高瀬はあの女の子と付き合ってんじゃないの?まだ、あたしのこと好きでいてくれたの?聞きたいことはいっぱいあったけど1つも言葉にならなかった。
「やっと、繋がったな」