「名前どこ行ってたんだよ」
「あー、サボり」
「ずりー」
俺も誘えよなとかますます好きになっちゃいそうな言葉をくれる。けど慎吾さんのことで頭がいっぱいになってしまっている自分は単純だなーって実感
「部活行くぞ」
「ちょ、ちょっと待って」
カバンを持ち慌てて追いかける。
部活に行くと慎吾さんと目があったけど利央が引っ付いてきてなんとか話さずにすんだ。
「名前さん準さんがいじめる」
「ハイハイ。練習早く始めなさい」
尻尾を振りながら練習に行く利央。尻尾なんてないけど可愛い。
練習中何回か慎吾さんと目があったけど話すことはなかった。ドリンクも佐藤先輩が運んでくれたし。そんなこんなで気づいたら真っ暗。
「お疲れ」
「あー、疲れた。今着替えるから待ってて」
「わかった」
会話だけ聞いたら付き合いたてのカップルのようだ。でもなんかモヤモヤする。
「きゃあっ」
高瀬が部室に行こうとしたら、ボール運んでた佐藤先輩が転けた。慌てて駆け寄る高瀬。何がおきているのか分からず立ち尽くすあたし。
「先輩大丈夫っスか」
「痛たたた、ごめんね。ビックリしたでしょ」
「どっか怪我してないっスか」
「大丈夫、った」
どうやら足を挫いたらしい佐藤先輩。ふわふわして可愛いな。あたしが思うくらいだから高瀬はドキドキなんだろうな。
「名前、俺佐藤先輩送って帰るから先帰ってて」
「あ、うん」
大丈夫だよ。とか言う佐藤先輩の手をとって合わせて歩く高瀬と佐藤先輩の背中を見てて虚しくなった。
暗いし、帰り怖いな。走って帰ろうか?しんどいな
「お化けなんてないさ、嘘さ…続きなんだっけ」
「ぷっ」
「え、…し、慎吾さん!」
「俺が送ってやるよ」
うわぁ、恥ずかし。聞かれた。なんで慎吾さん居んのさ
「ほら、帰るぞ」
「え、あ、はい。」
彼はなにを考えているんだろう。