雲1つない青い空。それがなにを示してるのかあたしには分からないけど、きっと意味なんてないんだと思う。ただ1つ言えるのはこの空が好きだということ。




「今日の練習終了、解散!」

「あー、疲れた。マネージャー、タオル」

「俺も」

和さんの解散の合図で一気に忙しいくなるあたし。こいつらはマネージャーをこきつかいすぎなんだよ。あたしがいることにもっと感謝しろよ。

「名前さーん疲れた」

「利央引っ付かないで暑い」

いきなり引っ付いてくる利央をのける。まだ5月だと言うのに日差しが強くて暑い。軽く死にそう。

「名前慎吾さんも疲れた」

「慎吾さんうざい」

「反抗期な訳?」

「いや、ツッコミ入れんのも面倒くさいんでさっさと着替えて帰ってください。あたし片付けしなきゃならいんで」

「じゃあ、一緒に帰るか」

「帰りません」

慎吾さんはほおっておいてボールの片付けに向かう。さっきまで明るかったのにもう夕日は沈んで薄暗くなっていた。足元に落ちていたボールを拾う。汚れが目立って使いふるされたボール。これもあたしが好きなものの1つ。別に理由はないけど野球が好きだから、ボールもバットもグローブもグラウンドも野球部員も全部好きだ。

「名前なにしてんだよ」

「っ、た、高瀬か。びっくりするじゃん、いきなり話しかけないでよ」

「もう暗いぞ、帰んねぇの」

「ちょっと待って今帰る用意するから」

高瀬準太。彼の事もすきだけど、野球とはちょっと違う好きだと自分でも分かってるけど認めたくない。だって、彼とは幼なじみという厄介な関係だから。










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