同じ学年で、同じクラスだけど話したことはなくて、でも何故かよく目があう。いつも目があうたびひきつった笑顔で会釈するあたし。彼は笑いもせずいつも会釈だけしてくれる。

「あのっ」

「へっ?あ、あたし?」

「そうあんた」

何故か初めて話しかけられた。間近で見る彼はがっしりしていて男の体だった。

「…なんですか?」

「あんたいつも俺の事見てるわけ?」

唐突すぎんだろ。
高瀬って、自意識過剰なのか?


「あたしの見た方向に高瀬がいて高瀬がこっち見てるだけだと思います」

「自意識過剰」

なにあたしが思った事すんなり言ってくれてんだ。

「高瀬がいっつもあたしのこと見てるから目があうんでしょ」

「いやあんたがいつも俺の事見てっからだろ」

なにこれ二人共おんなじ事考えて目あってるわけ。なんか笑えてきたんですけど。
あたしが笑いをこらえてると高瀬が先に笑い出したのであたしも笑ってしまった。

「あは、あははは」

「笑いすぎだろ」

「高瀬だって」

「ぷっ、不細工な顔」

高瀬は笑わないイメージあったけど笑うんだ。

「あたし高瀬に嫌われてるもんだと思ってた」

「最初は苦手だったけど」

「えっ、なにそれ」

「話してみてイメージ変わった」

「あたしも」

「ぷっ、は」

今までクールで無口なイメージだったけど笑う高瀬の方が好きだな。

「目があう確率って低いのに俺らすげーな」

なんでそんな大胆なこと言えんの。
次から意識しちゃうじゃん。



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