人気の少ない非常階段に呼び出されまさかの平手打ち。びっくりして言い返すこともできない。まず自分が彼女になにをしたか分からないというのに平手打ちをして気がすんだのか帰ってしまった。
「痛そー」
「…あ、島崎」
よう。ニコッと笑って私の腫れた頬をじっくり見つめてからの爆笑。なんだこいつ。からかいに来ただけかよ。
「おまえ最高」
「なにが?てか私平手打ちをされる意味が分からない」
「あぁ、あれ俺の元カノ」
「あんたの元カノと私の繋がりが見えません」
「別れるとき好きな子出来たっつたら、誰?って聞いてくるからおまえの名前出しといた」
「死ね」
そうか全部こいつのせいか、納得。じゃねぇよ、女に飽きたからって私を使うな。本当、マジありえないんですけど。
「そういや、こないだおまえの上だけ雨降ったろ?」
「あぁ、そんなことありました」
本当は二階から数人の女子に水をかけられただけなのだが。
「あれも俺の元カノ」
「あんた私の前から消えて下さい。クラスメートやめてください」
「んな怒んなって」「女ったらし」
「俺は一途ですー」
「嘘つけ。実際あんた何股かけてんの?」
「…五人くらい?」
「最低だよこの人。そんなんでよくバレないね」
「他にもいるけどいい?って言ったら皆いいっつた」
「そんな心の広い方がなぜ私を殴るのでしょう」
「あぁ、それはアレだろ、俺の本命がおまえだから」
「はっ?」
島崎が私を本当に好きかなんて信じられる訳がない。実際五股とかしてるし、信用性にかける。だけど本命とか言われて私も好きかもとか思ったのは彼がイケメンだからだろう。