「ねぇ、」
「ん、?」
「なにこの手」
なにが?と知らないフリをする島崎。放課後の教室、野球部の声が聞こえる。部活を引退した島崎はとにかく女遊びが激しくなった。だけど今日なぜか授業で分からないところがあるから教えてくれなんて言うもんだから可笑しいと思ったら、見事に無防備だった私は押し倒された。
「私やだよ」
「別にいいだろ、減るもんじゃねーし」
「減るよ、何かを失うよ」
「なぁ、ヤろ?」
こいつは馬鹿か、なんでこうなった?あの夏、負けたから?そんなのこいつが弱かっただけだ。島崎の気持ちが弱いから女に逃げてるだけだ。
「他の女と一緒にしないで」
「一緒にしてねーよ」
「してるよ」
「してません」
「私はあんな馬鹿な女共みたいに慰めてなんかやんない!」
「……」
「自分でなんとかしろ馬鹿島崎」
これでこいつの人生は変わるだろうか?