「プラネタリウムいかね?」
彼の口からそんな言葉が聞ける日が来るなんて思わなかった。いつも榛名が休みの日は家で野球観戦したり、ゴロゴロしたり、恋人らしいことは一度もしたことなかった。
「あたし別れるって言われても別れてあげないよ」
「はぁ?なんでそーなんだよ」
「榛名が珍しくそんな事言うからじゃん」
「いいから行くぞ」
外に出られるような格好じゃないのにあたしの手を引っ張る。
プラネタリウムは案外綺麗でまた来たいと不覚にも思ってしまった。
「なぁ」
「へ、っん」
「また来ような」
ニコッと笑ってキスをしてきた彼は意外とロマンチストなんだと思う。