小さい頃弱っていた猫を友達と内緒で隠れて飼っていた。子供ながらあたしがこの子を守ってあげなきゃっておもった。だけど、可愛がって、一生懸命育てた猫は死んだ。愛を注ぎ過ぎたんだと思う。
「なにそれ」
「あたしの小さい頃の話」
「だから俺に冷たいの」
「そうだよ」
「名前の愛もっと頂戴」
「嫌だよ。あたし慎吾が居なくなる夢ばっか見るの」
「俺はここにいんぞ」
「分かってるけど、あたし依存してんの、慎吾に」
「俺はいなくなんねーよ」
「弱虫だからあたし、怖くて仕方ない」
「愛され過ぎて俺は死にたいんだけど」
「…」
「大丈夫だから」
「慎吾があたしを、殺して」
「ん、」
抱き締めた彼女は震えていた。