初めて煙草を覚えたのは高校2年の時だった。とにかくむせたことは覚えてる。
「…ーふ」
「おい、煙草やめろ」
榛名元希高校2年生。あたしと3つも年が離れてるけど一応彼氏。
出会いなんてあやふやで覚えてないけど部活一筋で一生懸命な彼を見てあたしにはあんな青春時代なかったと思ったことは覚えてる。
「今さらやめれない。榛名は絶対吸わないでね」
「誰が吸うかよ」
「あたしはいっぱい後悔したけど榛名はしないでね」
「しねーよ」
「じゃあ、あたしと別れて」
「はっ?なんでそうなんだよ」
「あたしと居ると榛名をダメにしてしまう」
彼の綺麗な心にはあたしの汚い心は合わない。榛名の夢だって壊してしまう。
「別れねぇよ」
「あたしは榛名に釣り合わない」
「なんだよそれ!意味分かんねーよ。お前も変わろうとしろよ」
「…榛名」
「まだ二十歳の人間が人生諦めてんじゃねぇよ。」
「うん。そうだね。ごめん」
「それと、釣り合う、釣り合わないの問題じゃなくて人間好きか嫌いかの問題だろ」
「あたしに説教すんな馬鹿。でも、そんな馬鹿があたしは好きだよ」
「へへ」
その笑顔はあたしには造れない。