この春の顛末


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逃げられない(R18)




※柿本と別れた優也がモブに寝とられる話





柿本さんと別れた。柿本さんに怒鳴られて、平手打ちされたときには頬っぺたが真っ赤になってた。

それでも、そんな痛みより心の方がずっと痛かった。別れよって言われたときは心臓が止まるくらいの痛くて、その苦しさが今もずっと続いてる。

「本当にいいの?」

ベッドに押し倒される。柿本と別れたなら俺とヤラね?って誘ってきたのは、兄貴の友達。

男とヤることに興味津々らしい。

「いいよ、早くしよ」
「誰でもいいんだ。お兄ちゃんに似てきたね。笑」
「似てない!」
「はいはい」

いきなりズボンのベルトを外されながら、おなかの辺りを触られて思わずゾワゾワする。

…正直、柿本さん以外にされてもあんまり嬉しくない。

むしろ罪悪感で心が死にそう。

「ねえ、寝取られ好きだからさ」
「え?」
「柿本って呼んでみてよ」

クソ野郎すぎ。それは何、柿本さんに対する優越感なの?なんかムカつく。

でも、俺もこの人のことを柿本さんだと思えたら楽になるんかな。

「…ひ、ぁ…」
「挿った。すげ、思ったより100倍気持ちいい、腰動かしていい?」

口では尋ねてくれてるけど、その間にも腰は打ち付けられてる。

「っん、ぁ、ぁ、ぅ…ん」

めちゃくちゃ自己中なところも、さすが兄貴の友達って感じ。

でも今はいいや、大事にされても泣いちゃうから。

「…柿本さん」

口にしてみると、胸がズキンと痛んだ。全然ダメだ、心の隙間が埋まらない。

「柿本さ…ぅ、ん、…かきもとさ…」

何度も名前を呼ぶ。全然気持ちよくないのに声が止まらないのは、たぶん俺が泣いてるから。

グチュグチュという音にも耳を塞ぎたくて、どうしようもなく居た堪れない気持ち。

やめとけば良かった。バカだ俺。

「…っ、やめて…」
「今更ムリ。出していい?」
「え、ゴムしてないん…やだ!離して」
「黙れって。お前の兄貴、隣にいるんだから」

口を塞がれて、思わずビクッと体がこわばる。え、いま隣に兄貴がいるの?

知らなかった、どうしよう。

「あとで笑いネタにする、田中もこういう話好きだし」

兄貴ならありえるけど、俺は笑えない。血の気が引いて、手が冷たくなってきた。

だって兄貴がいるなら、あの人もいるかも知れないから。

「ねえ、声が丸聞こえなんだけど」

部屋の扉の方を見ると、立っていたのは柿本さんと兄貴。

うわ、一番こういうところ見られたくない二人にエッチしてるとこ見られた。つらい、もう生きていけないどうしよう。

「お前、中学生に手出しすんなや。ダサすぎ」

俺の上にいる人を蹴飛ばしたのは、兄貴。そうだ、兄貴はこういう人。

なぜか友達にだけは平等で、ダサいことしてるやつにキレる。昔から変わらない。

「こいつ俺が回収するわ。空気えげつな、じゃ。笑」

兄貴が下半身丸出しになってるままの友達を回収して、部屋を出ていく。

俺はどうしたら良いかわからず、とりあえず布団で体を覆う。

「…良かった?」

柿本さんがボソッと言った。

「俺以外とすんの、良かった?」

掠れている声は、今にも泣きそう。なんだ柿本さんが泣くの。おれを振ったのに。

「…そんなわけないじゃん」
「俺がどういう気持ちだったかわかる?」

ベッドの縁に座る柿本さんは、目が据わってる。めちゃくちゃ怖い、なにその目。

今気づいた、みんなが怖いって言ってたのはこの柿本さんだ。

俺は甘やかされてただけって思い知る。

「…もういっか」
「え?」
「大切にしてた俺がバカだったみたい」

思いっきり強い力で、手首を掴まれる。そのまま部屋から出されて、階段を降りる。

連れて行かれたのは、風呂場。

「か、柿本さん…?」

服が濡れたまま、風呂場に入れられて。まだ冷たいのに、シャワーの水を掛けられる。

「ひ…っ、つめた…」
「そこ洗うから。足広げて」
「や、やだ」
「拒否権ないから、悪いけど」

無理やり片方の足を持ち上げられて、穴のところに水を当てられる。

だんだんシャワーがぬるくなってきて、それと同時にボディソープのついた指が押し入ってきた。

「…っ、やだ…やめて」
「動かないで」
「ひど…ぅ、ん…、あぅ…」

ジュポジュポと泡立っていく。恥ずかしいし、自分が情けなくて涙が出てくる。

「柿本さん、もう嫌だ」

どれだけ首を振ってもやめてくれなくて。

何度も何度も擦られて、そのまま射精して。

「…ごめ、っ…柿本さん」

終わらない抜き差しに、ただ泣きながら喘いで許してってお願いすることしかできなかった。

END




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