束縛エッチ(大学生パロ/R18)
(天城視点)
大学の最寄り駅。飲み帰りのサラリーマンで賑やかな改札前には、高良が待っていた。
「あ、じゃあ俺ここで」
さっきまで飲んでたサークルの皆に手を振ると、いきなり腕を掴まれた。
「えー、天城くん帰っちゃうの」
振り返ると、すっかり酔っ払った女子。
最近よく飲み会に誘われるんだけど、俺ってそんなに絡みやすいんかな。
「今からうちで宅飲みするし、行こ!」
「あはは、もういい時間だし解散しよ」
「なんで〜!」
「予定あるし、ごめんって!また誘って」
すぐそこに高良もいるし、あんまり接近されるの良くないよな。
やんわり断ると、女子が「じゃあ本当に今度ね!」と念押して走り去って行った。
それから慌てて、高良のところへ駆け寄る。
「高良、ごめん…!ちょっと遅れた」
「…いいよ。いきなり誘ったの俺の方だし、むしろごめん」
「全然ヘーキ!むしろ誘ってもらえてハッピーラッキーって感じ」
サッカーの試合が忙しくて、最近あんま会えてなかったし。
そんなことを思いながら二人で改札を抜けてホームへ歩くと、ふと高良が呟いた。
「…さっきの誰?」
「え?サークルの同期!」
「そりゃそうだと思うけど。…宅飲みする仲なの」
高良にそう尋ねられた瞬間、背中をドンと叩かれる。
「うわっ!」
悲鳴をあげると、後ろから歩いてきたらしいサークルの後輩だった。
「ビックリした…!」
「あは、あまりん先輩!昨日の試合かっこ良かったです、お疲れ様でした〜!」
元気なポニーテールが揺れる後ろ姿を見送って、「完全にバカにされてるじゃんけ」と呟く。
最近どうも、女子に絡まれること増えた気がする。大学生って距離感バグってるよな。
「高良ごめん、さっきの話…あれ?」
振り返ると、そこには高良の姿はなくて。
「高良?」
キョロキョロと辺りを見渡したら、高良はとっくにホームのベンチに座っていた。
俯いスマホを弄っているその隣に、ストンと腰を下ろす。
「…ごめん高良。やっぱ普通に家で待ち合わせれば良かったかも」
ほかのコミュニティのやつら居ると、ちょっと居心地悪いよな。
そう伝えても、高良とは全然目が合わない。
「俺が迎えに来るって言ったから。…邪魔なら、今度からそうするけど」
「邪魔なわけ!ハッピーって言ったべ?」
「へえ」
へえって。なんでそんな機嫌悪いん。
そんなふうに会話を終わらせられたら、もう俺なんも言えないじゃん。
二人で黙って電車に乗る。コンビニでお茶を買って帰路についている間も、高良は全然話さなかった。
ーーー
高良の家に着く。部屋の電気を付けようとしたら、高良に手首を掴まれた。
「…高良?」
ギョッとしているうちに、手を無理やり引っ張られる。何とか靴を脱いで、足がもつれそうになりながら部屋に入った。
「うわ!」
押し倒されたのは、ベッドの上。真っ暗すぎてほとんど見えなくて、ちょっと怖い。
「ど、どしたん、そんないきなり…っ、痛っ」
困惑していたら、高良にシャツを引っ張られて首筋をグッと噛まれた。
「高良、なに…!痛い、怖いってば!」
「…じゃ帰れば」
「え…?」
高良からそんな言葉を聞くとは思ってもみなくて。思わず硬直する。その間にも、高良の指がそっと俺の肌を滑っていく。
「な、何でそんなこと言うん…」
「嫉妬。言ったでしよ、俺重いんだって」
「それは聞いたことある…けど…っ、ぁ、あ」
高良の指がシャツの裾から入ってきて、乳首に触れた瞬間に変な声が出た。
なんで今話してるのに、そんなことするん。
「どうしたら、…ぅ、ん…高良、安心する…?」
なんとか声を振り絞って尋ねた。
「…天城の体、好きにさせて」
「え?」
「俺のって実感させてほしい」
その直後、唇に深い深いキスをされた。舌を絡めとるみたいに深く舐められて、背筋がゾクゾクっと震える。
「……わ、かった」
それで高良が安心するなら。そう思ったから。
ーーー
(高良視点)
「た、高良…」
「好きにしていいんでしょ」
裸にした天城の素肌をそっと撫でると、女子に触れられてた腕に噛み付いた。
「痛っ、あ…」
天城の手首を傍に落ちていたタオルで縛って、ベッドフレームの隅に括り付けてある。
目はネクタイで縛って隠して、何も見えないようにしてる。
「ここと、背中だっけ」
「ひぅ…ん、なにが… 」
天城を転がして背中を向けさせる。
「…っ、痛!ぁ、痛い…たからぁ」
背中に噛み付くと、天城が泣きそうな声をあげた。
「…痛そ」
くっきりと付いた歯型に、ちょっと気分がマシになる。
ーーー誰かに触られたらこうなるんだって。天城が体で覚えたらいいのに。
そう思ったと同時に、思考がDV男みたいな自分に引いた。
「ごめん…ここ、舐めてあげる」
「ひぅ!ぁ…ん、ふ…」
「めちゃくちゃビクついてんね」
乳首に吸い付いたら、天城がビクッと腰を反らす。
「だっ…て、どこ触られるか、んぁ、分からないから…ひ、ぅ…」
身をよじる天城は、いつもより感じているように見えて。
パッと手を離すと、天城が警戒しているのかピタッと動かなくなる。
「た、高良…?」
俺の気配を探してるのが可愛くて、そっとベッドから離れた。
天城に視線を向けたまま、傍に置いておいたペットボトルの水を口に含む。
「高良、どこ…?」
心細そうにしてる天城を見たくて、わざと無視をした。
ーーーこんなの、自分でも引くくらい歪んでるけど。
天城が自分を探してると、嫉妬で苛立ってた気持ちも引いていく。
「…天城」
「うわ!い、居たんだったら返事くらい…!」
「喉乾いてない?」
「え?う、うん。飲みの後だし…」
天城がそう言ったのを聞いて、ペットボトルを持って傍に行く。
「…飲ましてあげる」
そのまま水を口に含んで、天城にキスをした。天城は驚いたのか、ビクッと体を震わせて。
口移しをすると、ごく、と喉を鳴らした。
「~~~っ、んぅ…」
水が、口から零れていく。
「ぷは、ぁ…ケホ、ビックリした…」
苦しそうに肩を上下する天城を見てると、どんどん虐めたくなって。
大学生になってから女子にモテるようになった天城を見てると、
もう、俺とじゃないとセックスできないような体にしたくて。
「…天城、舐めて」
天城の口元に、俺のを当てる。天城はブルブルと首を振った。
「無理…っ、ふ、…んむ」
嫌がる天城の口に、無理やり押しこんだ。
…こんな事したってなにか手に入る訳でもないのに。可哀想なことをしてるのは頭では分かってる。
「ん、んぶ!っ…ん、はぁ、ふ…」
腰を振れば、天城は頑張って応えようとして舌を這わせている。
その姿があまりにも健気で、その姿を見てどこかで安心してる。
「は…っ、ん!んんぅ」
天城の口のなかに出したら、天城が口のなかに含んだまま固まった。
精液を吐き出したいけど出せないのが分かって、
口元に手を持っていく。
「…出していいよ。ほら」
すると、天城が「ん、ぐ」とそれを飲み込んだ。
「え…飲んだ?」
「うぇ、…は、ぁ…いやだって、高良の手に出すとか、は、無理…!」
けほ、とむせる天城に、また口移しで水を飲ませる。
ゴク、ゴクと喉仏が上下する度に、その細い首に惹き付けられる。
「っ、…ひぅ!あ、つめた…」
天城の足を広げると、ベッドの下に置いておいたローションを穴に垂らした。
「天城」
「ぁ、ひぅ!指、入れ…はぁあ! う、ぁ…」
「ごめん」
赤くなった手首にキスをした。
「俺のになって」
ーーー
(天城視点)
翌朝。目を覚ますと、体のあちこちが痛くて目が覚めた。
「うわ、手首めちゃくちゃ赤!」
縛られてたうえにめちゃくちゃ暴れたせいで、手首が真っ赤になっていた。
手首にも歯型があるし、とんでもなくボロボロ。
「ちょっと高良、朝!起きろ!て」
隣で寝ている高良を揺すって起こす。
昨日は全然話せなかったけど、今日こそちゃんと話し合わないと。
「高良、俺どうしたらいい?」
「…なにが」
「どうしたら不安じゃなくなるん。教えてほしい」
そう言ったら、高良が寝ぼけたような声で言った。
「多分、どうやっても無理」
「え」
「…だから」
高良が俺の腕を引っ張って、抱き寄せた。
「たまに、昨日みたいにさせてほしい。…天城が、嫌じゃなかったら」
そんなの俺、大変なことになっちゃうよ。そう言った時には、高良はまた眠っちゃっていて。
嫌じゃなかったらって。
むしろ嫌じゃないから、問題なわけで。
「……俺に変な趣味できたら、どうしてくれるん」
小さな声で。そんなことを、ポツリと呟いた。
END