大和は仕事もなく恋人もいない。
 恋人は24年間いたことがない。性の捌け口には、その手の友人を使っていた。後腐れしないからだ。しかしこの歳にもなると、少し孤独を寂しく感じてしまう。恋人を欲しいとは思うが、恋愛対象が男だから滅多に良い相手に出会えない。


 そんな大和の上で、淫らに声を上げながら腰を揺らすテツヤは、散歩中に出会った援交少年だ。
 子供に興味のなかった大和は無視して家に戻ろうとしたが、髪色に目を奪われ立ち止まってしまった。すると少年――テツヤと視線が絡み合い、今に至る。
 久しぶりの行為なのか、テツヤは随分と気持ちよさそうだ。大和の精をありったけ搾り取ろうとする勢いで中をくねらす。

「自分の気持ちいいところ、ちゃんと理解してるんだな……」
「それは、ッ……そう、ですよ。何人も相手にして来ましたからね」

 ふふ、と艶美に肩を揺らす。
 だらしなく開いたテツヤの唇の端に唾液が垂れる。体が勝手に動いた。大和は上体を起こし、無意識にそれを舐め取っていた。

「……ッ、舐めないでくださいよ」
「別にいいだろ……、精液よりは綺麗なんじゃねーか?」
「ボクは……そうは思わないですけど」
「そーですか」

 テツヤがぐりぐりと、もっと埋めこみたいと言うように腰を落とす。腸壁を無理やり抉らされている気分だ。そろそろ自分も動きたくなってくる。性処理の道具として扱われているようで、半ばおあずけ状態だった。
 忙しなく動くテツヤの腰にそっと触れる。テツヤが怪訝に眉を顰めた。意図に気付かないテツヤをいい事に、腰をしっかり掴み大和は昂りをぶつける如く下から突き上げた。

「……っひ、ぁああ、ッ……!?」

 普段はテツヤが主導権を握っているのだろうか。テツヤは驚愕に目を剥き、のちに快感を噛み締めるように目を瞑るとびくびくと痙攣した。
 直後、大和の腹に液体が降りかかる。さっきの一突きで達したのかと思い、下腹部に目をやる。が、そこに白い液体はなかった。代わりに――

「っ、漏らし、てる……?」

 かすかに黄色が混じるさらさらとした液体が、テツヤの先端から零れ出ていた。――失禁したのだ。突如訪れた快楽に。

 テツヤは半分放心状態で天井を見上げている。不安になり、テツヤを抱え上げて自分のものを抜いた。密着していた肌が離れた場所から排泄物がぱたぱたと落ちる。
 力の抜けた体を仰向けに寝かせる。タオルを取ってこようと立ち上がろうとしたが、大和の腰にテツヤの足が絡み、立ち上がることができなかった。

 意思のわからないテツヤの目線が下を向く。テツヤの手が、びしょ濡れになった部分に伸ばされた。排泄物を手のひらで撫でつけている。
 汚れたその手を、テツヤは何の抵抗もなく自分の口に運び、舌で舐めた。

「お、お前……なに、やってんだよ……」
「ふふ、美味しいです」
「馬鹿か! そんなわけないだろ! お前大丈夫か!? ションベン飲むなんて正気じゃないぞ……」

 壊れたように、テツヤがけたけたと笑う。大和の首にテツヤの腕が回った。熱に蕩けた瞳が大和に訴えかける。

「ね、大和さん。もっと、シてくれますよね……? まだ刺激が足りないんです。もし断るなら……」

 テツヤは目を横に逸らすと、再び大和の目を見つめた。

「他の人の場所に行って、えっちしちゃいますからね?」

 それは、大和じゃないと嫌だ……という事なのだろうか。脅しになっていない脅しが少し可愛らしくも思う。
 だが一見無邪気にも見えるその微笑みは、大和にとって悪魔以外の何でもなかった。


2013/05/22 淫乱黒子。放尿プレイ
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