熱の篭った体育館に、涼しい風が通り抜ける。
 男子バスケ部のマネージャーである俺は部活後、床に零れた汗を拭き取る掃除をしている。もはやマネージャーと言うよりは雑用係だ。男子だからと言って強制的に力仕事を任されている。

「大和くん。お疲れ様です」
「おー、黒子! おつかれー」

 今は冬かと突っ込みたくなるほど肌がま真っ白で、汗も流れていない。
 黒子は誰かを探すように体育館を見渡した。

「……やっぱりここにいましたね、青峰君」
「青峰に何か用事?」
「先生が青峰君を探してるんです」

 面倒だとムッと顔を顰めて、青峰が寝ているステージへ歩を進める。端の小さな階段を上りステージに立つ。すると黒子はおもむろに、青峰の脇にあったバスケットボールを持ち上げた。
 ……もしかして腹に落とす気か。
 と思ってる間にもボールは落とされた。だが、青峰は一瞬苦しい声を出しただけで目を覚ますことはなかった。俺もステージに近付き、青峰の様子を窺う。

「熟睡してんなぁ。こんな暑いのによくもまあ」
「ですね」

 黒子が青峰の頬を突く。それも強力なせいか青峰の頬が抉れているように見える。その様子を見ていて、体の奥からムクムクと悪戯心が沸き上がってきた。

「なあ黒子。面白いこと思いついちゃったんだけど」
「? なんですか?」

 仰向けでぐーすか寝てる青峰の横をちょこちょこと歩いて近づいてくる黒子。小動物のようで可愛らしい。

「ボールでさ、青峰のチンコ擦んの。面白そうじゃねっ?」
「うっ、えげつないです。さすが大和君」
「おいそれどういう意味だ」

 内心ワクワクで堪らない。あの爽やか系ピュアピュアガングロ男子を、俺の手で泣かせることができるかもと思うと頬の緩みが止まらない。
 ステージに飛び乗り、転がっていったボールを拾い青峰の元へしゃがむ。

「なあ、短パン脱がす?」
「それはもういじめになってしまうんじゃないんですか……?」
「大丈夫だよ。青峰だし」
「どういうことですか……」

 涎を垂らしながら幸せそうに寝ている青峰の股間にボールを乗せる。掌でボールに力をかけながらコロコロと上下に転がすと、さすがに刺激を感じたのか青峰の眉間に皺が寄った。

「……ん、ふっ」

 切なげな声を洩らす青峰に昂奮してしまったのか、唾液が口の中に充満する。唾液を飲み込むと思ったよりも大きな音がして焦った。青峰の半開きになった口から再び涎が垂れる。

「ァ、んぅ……は、」
「これくらいの刺激でも結構な声が出るんですね……」
「…………」

 俺は青峰を刺激するのに夢中になって掌を動かし続けた。早く更にエロいところがみたい、と友人に対して思ってしまった。
 青峰のモノをもっと弄りたい。そう思うと徐々に青峰が履いている短パンが邪魔くさくなってきた。

「これ、もう脱がしてもいいよな」
「今はボクが何を言っても君には届かない気がします」

 黒子の言う通り、さっきから彼の声をほぼ認識していなかった。何か喋っているな、程度しか理解してなかった。
 青峰の短パンのゴムに手をかけ、下げていく。さすがにパンツまでは下ろさない。微かに盛り上がっているソコに再度ボールを当てて、強弱をつけながら転がす。青峰が上半身を捩る。

「……ッ、……」

 吐息がエロい。青峰の全部がエロい。ただの友人なのに……俺の感覚は狂ってしまったのか、さっきから考えることがおかしい。

「ぁん、大和……?」

 呼ばれて向くと、涙目の青峰と目があった。……起きた。

「なに、やってんだ、よ……ッ、止めろっ」

 歯を食い縛り、何かに耐えるように言うものだから、言われた通りに手を止めた。
 すると青峰は上目で睨んできた。涙が溜まっていて、それほど威圧を感じない。青峰のモノは完全にたっていて、見るからに苦しそうだ。そのまま寝てるフリしてイけばよかったのに。

「いや……、なんか気持ちよさそうに寝てたからさー……。つい。でも俺1人の犯行じゃねーよ!?」

 黒子にも責任を押し付けようと隣を見る。
 ……いない。
 真後ろに体を捻っても見つからない。影が薄くてとかじゃなくて、……逃げられた。

「あ? どうみても1人じゃんかよ」
「はい。そうでした」

 青峰はむくれた子供のような顔をしながら、俺が下ろしたズボンを履き直した。

「あ、の……。チンコ平気なの」

 質問がいけなかったのか、俺の手にあったボールを奪い取り、俺の顔目掛けて投げてきた。寸での所でキャッチして鼻血噴出を免れる。

「トイレで抜いてくに決まってんだろ! ヴォケ!」

 悩ましげな表情を俺の記憶に残して、青峰は体育館を走り去って行った。
 ――とりあえず黒子許さない。


2013/03/11 寝ている青峰にバスケットボールで股間にイタズラする。それを横で見ている黒子
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