「トリックオアトリートっす堺さん!」
バタンと大きな音を上げたドアを開けた世良は大きな声でそう言い放った。呼ばれた堺は腕を通していたアンダーシャツを世良を無視して着た。世良はむくれてロッカールームに入った。みんな笑ってて、堺さんは眉間のシワがすごかった。
「いつまでもガキじゃねぇんだぞ」
「ううう…でも俺お菓子欲しいんすよ!」
そう堺さんに言うと頭にずしっと誰かの腕が乗っかったと思ったらチョコレートがぽろり。
「はいはい世良君優しい丹波さんが君にチョコレートをあげよう」
「まじっすか!」
「因みに堺君は今日キャラメル持ってるよ」
「まじっすか!出し惜しみはだめっすよ堺さん!」
「出し惜しみじゃねぇ!大体お前の為じゃねぇよ」
「じゃあなんでもってるんすか?」
そう言うと堺さんはニヤッと笑ったように見えた。
「去年誰かさんにせがまれた上に便乗したやつに散々嫌がらせされたからな。今年は被害を受けないためだよわかってんのか丹波」
「あれ覚えてた?覚えてた?」
「だまれ」
ああだめだよ堺さん。なんか無理やり理由付けた気がする。だってさっきからなんか顔赤いんだ。あれは図星の時の顔だ。俺の為ならそういってくれればいいのに、カッケーじゃないっすか。
「律儀!ドS!だいすきっす!」




事の発端は

(なになに楽しそうじゃん)
(おーガミ)
(へーハロウィンっすか)
(赤崎仮装しろよ)
(その言葉そのまま丹さんにお返しします)



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今回のETUのみなさんはお菓子目当て(世良)から目的が変わっていくというテーマです←


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テーマ「人外ファンタジー」
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