「お前はもう…
俺の使用人じゃないだろ」

久しぶりに会った
俺の愛しい君はそう言った。




「ガイ、やっぱ俺
自分で何でもやらなきゃ」
「いいだろこれ位
俺にもやらせてくれよ」
再び旅に出てから、
ルークは俺と主従という関係
にあることを露骨に
嫌がる素振りを見せた。
前からあったのだ。
俺がガイではなく
ガイラルディアだと
明かした時から。
ルークは変わった。
変わってしまった。
この関係までは、変えたく
無かったのはエゴだけど。

入浴後にいつも
丁寧に髪を拭くのは
俺の仕事だった。
今日も髪の毛をびしょびしょに
濡らしたままベッドに
飛び込んでいくもんだから
仕方ないなぁと
(自分でも顔を
綻ばせるのがわかる)
タオルと髪を乾かすのに使う
風を送る音機関を
持ってルークを追う。

「ほら風邪引くだろ」
「あ、自分でやるよ。
ありがとな、ガイ」

俺の手から
タオルを受け取って
乱暴に髪を拭く。


「…やりたいなぁ」

ルークに触っていられる
のは至福だった。
今までの主従関係。
俺の気持ちは伝えては
いない。
完全に根付いた使用人根性
とかではなくて、
愛しいから触りたい。


「お前、そんな風にしなくても
いいんだ」
「え?」


「お前はもう…
俺の使用人じゃないだろ」



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