本当にこの人は、とっても酔狂だ。



「明日の夜飲み会?じゃあどっち泊まる?」
「丹さん幹事の時はいつもあそこですよ、ほらガミさん家の近くの」
「ああ、じゃあうち寄って歩きでいいね。よっしゃ、俺も飲める」
ロッカールームで練習後の選手が賑わっていたのももう数分前。一人一人、と消えていく中丹さんが明日飲み会だから会費は忘れずに、と声をかけて帰って行った。


いつ頃からだったか。飲み会の日はどっちかの家に泊まるのだ。他のチームメイトには完全に冷やかされるが、酔って陽気になったガミさんを連れて帰るのも悪くないと思う。そのために毎回飲酒はセーブ気味なんだけど。
「じゃあ明後日、朝は俺の車で」
「お願いします」
朝一緒にクラブハウスに来るのも楽しみで仕方ない。



 「清川ーのんでるかあー」
「丹さん酒臭いッス」
「んだとおーこの酒嫌いめー、ほら飲め俺の酒が飲めんのかー」
どくどくとコップに注がれる日本酒。隣で世良は爆睡していて、酒は飲まない主義の堺さんがそろそろ連れ帰る時間帯だ。若手じゃ一番酒が強い赤崎もぐだぐだの椿を寮に連れて行ってしまった。ガミさんと堀田さんは強いからまだ談笑しながら飲んでいて、寂しそうだとかでいつも丹さんは俺に飲ませようとする。(丹さんには別に嫌いじゃないけど、あんまり飲みたくないから嫌いだと言っている。)
「ほらほらー」
「あ、…はい」
さっき生一杯付き合って、そのあと今日はいつもよりちょっと飲んだのに、と思った。

宙に浮くグラス。

さっきまで離れていたガミさんが隣にいて、俺のお酒を飲んでいて、丹さんも呆気にとられてぽかん。

「ふーっ今日は俺も飲み過ぎだなぁ、丹さん俺らそろそろ」
「あ、ああわかった」
「んじゃ、おつかれー」
丹さんにぺこ、とちょっと気まずいけど会釈して、ガミさんが引っ張っている手に目をむけて歩いた。


 ガミさん家につくまでは殆どしゃべらずに手を見ていた。酔っているからか、それとも緊張しているのか。なんだかいつもより熱い手がもどかしくて仕方なかった。

どうしようもなかったから、家に着いた所でお酒飲んでくれてありがとうございました、と言った。
「ん、いいよ。つかね、あれ俺がいけないんだよ。」
「え?」
「あれ丹さんにやきもち妬いたんだ、すごい。丹さんすぐ絡むでしょ、なんか今日気にくわなくて」
酔いすぎた?と笑うガミさんがいつもと違ってなんだかかっこよくて、でもかわいくて、
「なんか今日ガミさんいつもと違う…」
「お前もなんか違うよ…酔ってるせいか何時もより熱いし、うるうるしてるよ、目」
やばい、手出しそう、早く寝よう、とガミさんはシャワーを浴びに行った。こんな俺に手を出したいなんてガミさんは物好きだ。俺もコップを借りてミネラルウォーターを飲んだら布団を敷かなければいけない。







酔い


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明日は練習なのでお預けの
ガミキヨでした^^
キヨがガミさんに対して
あまりデレないので
ガミさんをデレに持って行く
ことによってキヨもデレる
というデレデレ状態。



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