※ガミキヨ前提








どうしてこうなった?






 正直キヨさんがノンケだったらまだ我慢出来たと思う。絶対に不可能だったら希望は持たないだろうからだ。キヨさんに可愛いカノジョがいて、それならなんの苦労もなく諦めがつく。あの人は男はダメなんだ。そう考えて終わりに出来たハズだと自信はあるのに。
それが実際はどうだ?あの人は彼女がいたはずだった。なのにいまあの人の隣にはゴツゴツの年の離れた三十路の男。俺が希望を持つのに時間はかからなかった。
だったら、俺でもいけんじゃねぇのか。
なんでそう思ってしまったんだろう。いや違う。そこでなんでそのまま2人を見続けてしまったのだろう。ガミさんが一方的にキヨさんが好きで、結局キヨさんは流されている。
違う。流されていることも一つの意思表示だとなんで知らなかったんだろう。なぜそんな愚かな勘違いを理性が止めてくれなかったんだろう。だから、俺はわるいやつだ。



キヨさんはガミさんともうどの位なんですか。
偶然2人残ってしまったロッカールームで、俺の言葉は虚しいものだった。
「え、あ、は!?」
「だから、もうつきあって長いんすか?」
「え、…長くは、ない」
浜が居なくなってから、とぽつり。キヨさんの心の隙間を埋めたのはガミさんだった。
「ガミさんが言い寄ってきたんすよね」
「…」
「何で良いっていったんすか」
「お、お前に言う義理無いだろ…赤崎?なんか今日おかしい」
実際おかしい理由なんか挙げたっていくつも挙がる気がした。
「は、おかしいのはキヨさんすよ」
「なにが」
「俺だってわかんねえんだよ!」
反響。きん、と耳の奥が鳴ってからしまった、と思った。
びくり、とキヨさんの肩が跳ねた。
「ごめん」
「…なんで、謝ってんすか」
「俺なんかしたんだろ?」
「なんもしてないっすよ」
「じゃあ、なんて顔してんだよ、赤崎」
俺は最低だ。この人を困らせて、それでも我が物顔に惚れてると言うのか俺は。
「一個だけ話聞いてもらっていいすか」
「…いいよ」
「俺あんたのこと好きなんすけど、どうしたらいいっすか」
低い場所に目はない。ほぼ同じ高さの目線に問いかけた。キヨさんは着替え終わってはいなくて汗に濡れた練習着のままだった。
「ごめん」
「どうもしてやれなくって、ごめん」
予想の範疇の言葉の次は脳が知らない台詞だった。
なにもしゃべれなかった。次の瞬間落とした俺の視界が、ロッカールームの床に落ちた涙を見たからだ。
床の色の鮮やかさは、今日だけははっきり見えて、非現実的に感じた。





極彩色の悪夢

(俺がわるいんだ)
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最高に後味が悪くてごめんなさい←
最近赤崎はなにをやってもサッカー以外はうまくいかないんじゃないかというよく分からない状態が好きです^^
若さ故にいろいろ失敗を繰り返して幸せになってもらいたいです。


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