※事後翌朝
苦手な方は注意















 いたわって、優しく優しくしてくれた。フィールドや普段見せる荒々しさが吹き飛んで、まるでガラスでも触るように柔らかく接してくれた。目を覚ますと隣にその温もりは無くて、代わりに体液を拭ったと思われるタオルが放置されているのが視界に入った。さすがにシーツの交換もまだなのだろう。
「起きたか」
「おはよう…ございます」
喉がカラカラだった。水飲むか、と飲みかけのミネラルウォーターを差し出されて素直に受け取る。飲みかけという子供じみたことを気にしていないことがなんだかうれしかった。飲んだらシャワー浴びてこい、と頭を撫でられる。
 遂に一線を越えてしまったと言うよりやっと越えられた、と思った。俺がこんなんだから大分時間がかかってしまった。それでも、ザキさんは待ってくれた。嬉しくて、情けなくて、それでもっと好きになった。
「立てるか?」
「はい、あんまり痛くないっす」
鈍い感覚が腰に残っているが、激痛という訳ではない。
「そうか。結構大変だって聞くけどな」
ザキさん随分とゆっくり、俺がびびらないように慣らしてくれた。我慢してるんだろうな、とか考える余裕も無かったけど。
「ザキさんが優しいからっすよ」
「お前…恥ずかしいこと言うんじゃねぇよ」
シャワー浴びたらこれ着ろ、
と投げられたジャージからは
ザキさんの匂いがしたから、ああなんでこんなに好きなんだろう。そう思った。



もう少しで溺れそう


(依存しても)
(それはそれでなかなか)
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